アメリカにおけるネット上での本の違法ダウンロード調査。


電子書籍元年」とも言われる今年、年頭から電子書籍を巡って色々とニュースが舞い込んでいる。例えば「電子書籍へ大手が大同団結」(Asahi.com)は、キンドルに代表される読書専用端末の到来による市場変化を見越した大手出版社の「日本電子書籍出版社協会」(仮称)設立の動きを伝えたものだ。


もちろんわたし自身も仕事柄、電子書籍には人並み以上の関心を持っている。しかし電子書籍を(たとえ専用端末上であっても)消費者にお金を出して積極的に購入してもらうには、ネット上に流通している「著作者に無断でアップロードされ、その気になれば誰にでも無料で手に入るコンテンツ」が無くなることも同様に大事だと考えている。


そこで、今日取り上げたいのはアトリビューター(Attributor)というネット上のコンテンツを監視する団体が1月14日付けで発表したネット上の違法コンテンツの流通に対する調査だ。



この調査は2009年の第4四半期にアメリカで流通していた14ジャンルの913の書籍について行われた。

以下、調査の簡単なまとめ。

  • 同団体が調査した25のウエブサイトから900万回を超える違法ダウンロードが確認された。
  • 4つの無料ファイル共有サイトからはおよそ300万回の違法ダウンロードが認められ、この4つのサイトだけみても全体の違法流通コンテンツの3分の1に及ぶ。
  • 900万回の違法ダウンロードを小売価格で計算するとほぼ3億8千万ドルに相当する。
  • 調査対象となった本の市場での占有率から違法ダウンロード全体の小売価格を推定すると28億5千万ドルから30億ドルとなる。
  • 上記の金額はアメリカの出版売上のほぼ10%を占める。
  • 平均するとおよそ1つの本につき1万冊が違法で読まれている計算となる。
  • ジャンルと違法ダウンロードされる回数には相関関係が見られる。一番多く違法にダウンロードされているジャンルは「ビジネスと投資」で平均1冊につき1万3千回。「フィクション」は調査されたジャンルの中では一番ダウンロードが少なく、平均1冊につき2千回。


(調査上のジャンル、小売価格共にAmazonを参考にしている。調査対象となった913冊は同四半期の出版市場の13.5%を占める。)

パブリッシャーズ・ウィークリーのインタビューに応えて、同団体曰く「1年前に調査を始めた時よりも状況は悪化している」。



調査結果のまとめてとしてアトリビューターでは、この結果が「違法ダウンロードがどのくらい業界に損失を与えているかを示す」ものではない、としている。つまりこの調査結果は「違法ダウンロードがなかったら、どのくらい本が購入されていたか?」の質問の答えにはならず、違法ダウンロードがなければその分の本が購入されていたと考えるのは安易だと警告する。




アトリビューターが指摘するまでもなく、違法ダウンロード流通がどれほどその流通するコンテンツの権利者に被害を与えているかを正確に算出するのは不可能だ。


ネット上では日本のアニメ・マンガが、著作権者の許可無く大量にアップロードされ、世界中で視聴され、読まれているのは多くの人の知るところである。経済産業省は「模倣品被害の報告書」を毎年出しているが、いくつもの種類の「模倣品」(例えば、商標など)が同時に調査されているため、「アニメ」なら「アニメ」、「マンガ」なら「マンガ」の違法コンテンツ流通の実態は、その報告書の細かさにも関わらず見えにくい。


しかも、日本のアニメ・マンガの場合「著作権者からの許可の無い翻訳―ファンサブスキャンレーション」が、作品の「宣伝機能を果たし、ファンの拡大に繋がっている」などという理由で、ファン自身により更には時に海外でのアニメ・マンガ人気を伝える報告者からも正当化されてきた経緯がある。以前は「正規品の発売が決まった時点で、無許可のファンサブスキャンレーションは取り下げる」というファン内での自主規制が存在したこともあったようだが、現在ではこの自主規制はまったく守られていないに等しい。


パブリッシャーズ・ウィークリーは今回の調査結果が「電子書籍によって違法コンテンツの流通が促進されることを心配する出版社を益々不安にさせている」とみる。日本産コンテンツに限っても、正規のアニメ配信サイトの動画がファンサブに素材を提供している、という話も聞くので(真偽は未確認 実際にCrunchyrollなどの合法サイトのロゴが入ったままの映像がファンによる違法サイトに流れているのが確認されている*1)、その心配は杞憂とは言えない。



個人的に今回の調査で注目したのはアトリビューターが公表した中の「2009年第2四半期中に出された5万3千の配信停止要請のうち98%で、サイトによる配信の停止が確認された」という点だ。


日本の著作権者も過去に「配信停止要請」(Cease and Desist Letter)を「著作権者に許可なく配信されたアニメ・マンガ」に対してまったく出してこなかったわけではないが*2、ここまで積極的に動いてきたわけではない。むしろ北米のファンからは消極的と考えられていて、業を煮やしたファンが団体を立ち上げたほどだ。


「アニメの違法配信に反対するファン団体「Operation TAFAP (True Anime Fans Aren't Pirates!)」(ULTIMO SPALPEENさん)


今回の調査で法的手段に出る前段階での「配信停止要請」が有効であることが明らかになったのは、裁判費用などを考えると著作権者にとって経済的に心強い*3



このままではインターネットがある限り、違法にアップロードされるコンテンツはなくならない。そのためインターネットでコンテンツを配信する有益なビジネスモデルを作る際には、以下に述べる点も考えて欲しい、と呼びかけたい。あまりにも原始的な主張なので恥ずかしいほどだが、実際にこの認識が共有されていないと思われる機会に最近いくつか遭遇したので、あえて書いておくことにした。


それは著作権に許可無くアップロードされたコンテンツの実態調査をきちんと行う必要があり、もし行われているのならその調査結果は広く知られることが重要だ」ということである。


どれほどの損害額かを算定することが不可能でも、実態を知った上で行動することが大事だ。もし著作権者が「ファンは自分の著作物を好きにしてよい」と思うならそれでいい。ただ人気アニメやマンガが数十万、数百万単位で違法にダウンロードされていることを知っても「宣伝になるから、ほっておけばよい」と思う著作権者は少ないのではないだろうか。

*1:ULTIMO SPALPEENさんより情報をいただきました。

*2:少し古いが例として、当ブログの2006年5月の記事「北米ファンによる違法翻訳コピーの行方」参照。

*3:アトリビューターの調査対象であるファイル共有サイトとアニメ・マンガファンによる違法サイトを単純に比べられないが、目安にはなるだろう。

あけましておめでとうございます。

 
大変遅くなりましたが、
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願い致します。


トップをちょっとだけ変えてみました。新たな気分で今年も頑張りたいと思います。


ところで現在わたしはモーニング・ツー
『ピポチュー』という日米オタク文化衝突交流の最前線マンガを連載しているアメリカ人マンガ家フェリーぺ・スミス君のエージェントをしているのですが、嬉しいことに今年の
『モーニング』『モーニング・ツーから送られる年賀状
フェリーぺの『ピポチュー』の絵を使っていただきました。

ちょっとスキャンの関係で見づらいかもしれませんが
コチラ↓がその年賀状です。

一富士二鷹三茄子」をなぞり、鷹の舞う空の下大笑いしている「ミスター・フジ」と茄子を口にくわえた「ピポチュー」です。


でもまさか、フェリーぺの絵を使っていただけるとは。


だって、あの井上雄彦先生のバカボンド
ドラマ化するエンゼルバンク
更に『このマンガがすごい!』にランクインするVIPマンガ、例えば
Giant Killing宇宙兄弟へうげもの
それに加えて
バラの花びらの浮かんだお風呂につかってワイングラスを傾けたりする島耕作社長のいる『モーニング』
年賀状ですよ?


ってことは、今年の
『モーニング』『モーニング・ツー』の顔
フェリーぺピポチュー???


イエイエイエ、それは無いですが、年初早々皆さんに
フェリーぺの絵を見ていただけるのは有難いことです。



今年も頑張って海外マンガを紹介したり、翻訳したり、
記事を書いたりしていきたいと思います。
よろしくお願い致します。

講談社『小説現代』12月号にインタビューが掲載されます。

講談社刊『小説現代』12月号の「サブカル・フロントライン」というコーナーに、当ブログ管理人のceenaこと椎名のインタビューが掲載されます。


小説現代』の発売日は毎月22日ですが、今月の22日は日曜日なので発売は明日(20日)かもしれません21日でした。


小説現代』ウェブサイトはコチラ↓
<「現代小説―小説の愉悦を追及するノベルマガジン>


↓『小説現代』12月号です。

小説現代 2009年 12月号 [雑誌]

小説現代 2009年 12月号 [雑誌]


小説現代』の「サブカル・フロントライン」
が過去にインタビューした方々のお名前をみると、なんと!東村アキコさま(『ひまわりっ健一レジェンド〜』)、神山健治さま(『攻殻機動隊SAC』監督)、瀧波ユカリさま(『臨死!!江古田ちゃん』)などなどわたしの大好きな作品をお作りになった凄い方々のお名前がゾロゾロ。わたしがそこに登場していいのだろうか…と思いつつ、でもこんな機会は二度とないかも…という訳で、有難く受けさせていただきました。


インタビューでは当然のことながらお仕事についてお話しているのですが、わたしがどんな仕事をしているのか、初めて会う方に説明する時はいつも苦労します。そこで、簡単に実際にやっている仕事を箇条書きにしてみると、

  • 海外マンガを主に扱うエージェント
  • 翻訳
  • 海外マンガ事情ライター
  • 海外マンガ関連の情報収集(コンサルタント業務…と言うと大袈裟ですが。)
  • 海外アニメ・マンガ関連イベントと日本サイドをつなぐコーディネーター

この他には、

  • 講談社「モーニング国際新人マンガ賞」のスタッフ・審査員


と、色々やってます。メインの仕事はエージェントのつもりですが、これがなかなか難しくて試行錯誤の連続と言った感じです。


私生活はほとんどない状態で仕事ばかりの毎日ですが、まだまだお仕事をお受けしますし、わたしにお手伝いできることがあったらご連絡ください!頑張ります!今のところエージェントではあまりお金になっていませんけど!これから、ですから!



小説現代』のインタビューでは主に今の仕事を始めた経緯をお話しています。わたしが緊張しまくっていたせいか、編集者さまとインタビュアーさまのお二人には終始気を遣っていただきました。ありがとうございました!

インタビュアーをしてくださったのは、ライターの吉田大助さん。このインタビューの少し前に『銀魂』特集のお仕事を『クイックジャパン』でなさっていたので、お会いした時に全国の『銀魂』ファンを勝手に代表して特集のお礼を言いました。あの特集は面白かったです。『銀魂』のフリーダム感全開で。

小説現代』12月号「サブカル・フロントライン」のインタビュー、もしお時間があったら読んでみてください。



↓わたしがエージェントをつとめるフェリーぺ・スミスの『ピポチュー』(現在『モーニング・ツー』連載中)の2巻。フェリーぺ(現在日本在住)の取材等、絶賛受付中です。

PEEPO CHOO ピポチュー(2) (モーニング KC)

PEEPO CHOO ピポチュー(2) (モーニング KC)

↓翻訳をした『メガトーキョー』。1巻はコメディ色の強い内容ですが、これからどんどん東京を舞台に青春するアメリカ人OTAKUの物語になっていきます。
Megatokyo(1) (講談社BOX)

Megatokyo(1) (講談社BOX)

↓『クイックジャパン銀魂号。どこでも売り切れで買うのに苦労しました。

北米マンガ事情:アメリカ産原作のMANGA化(2)

前回の記事の続きです。


コチラが前回の記事。

北米マンガ業界にとって新規読者を開拓するのは常に大きな課題であり、メインストリームの作品を楽しむ市場からの読者の取り込みは大きく業界に望まれていることである。2008年におけるアメリカ産原作をもとにしたマンガ化作品の成功は、これからの北米でのマンガ市場の課題とその可能性を示すものであった。

が前回の記事の最後の部分です。


アメリカ産原作のマンガ化作品の成功:“マンガファン”以外の読者拡大の可能性」(2)


思い切って今回は自分の意見を入れた記事にしましたので、客観的な事実のみが読みたい方はパスしてください。

<2009年最大の話題のひとつ、『トワイライト』マンガ化>



そして2009年に入り、アメリカ産原作をもとにしたマンガ化の極めつけとも言える作品の発表が行われた。Yen Press社が『トワイライト』のマンガ化権取得を発表したのである。


『トワイライト』は高校生の女の子とイケメン吸血鬼の恋愛物語で、ティーンエイジャーの女の子たちに絶大な人気を誇るヤング・アダルト向け小説。日本では小説の翻訳版と映画の劇場公開のどちらもが期待を裏切る結果になっているようだが、地元北米ではもともと小説が大人気だった上に、映画化をきっかけにその人気が更に爆発。社会現象とさえ言われた作品だ。


以前の記事でも少し触れたように、そのファン層は北米では日本産少女マンガを読む層と重なっていて、業界ニュースサイトICv2が、2008年の日本産少女マンガ売上の落ち込みの原因のひとつは『トワイライト』にあると分析したほど。Yen Pressによる『トワイライト』のマンガ化権取得の発表はICv2をして「(その単行本出版は)お金を刷るようなもの」と言わしめた。ICv2ほどのエキスパートでなくとも、このマンガが手堅くヒットするのは簡単に予想できる。


現時点で『トワイライト』マンガの発売日は未定。作画は韓国人マンガ家が担当する。

↓『トワイライト』小説1巻。

Twilight (The Twilight Saga)

Twilight (The Twilight Saga)

↓『トワイライト』日本語版。ラノベ調表紙の翻訳版。
トワイライト〈1〉 愛した人はヴァンパイア

トワイライト〈1〉 愛した人はヴァンパイア

↓映画版『トワイライト』DVD。人気爆発の主な理由は映画の主演俳優にあったと言われている。今年のサンディエゴ・コミコンにはその主演俳優が登場。参加発表から当日に至るまで『トワイライト』主演俳優コミコン参加は色々な意味で大騒ぎを巻き起こした。

<米産原作をもとにしたマンガの成功が示すもの>



北米で日本産マンガの人気が上昇したと言われるのは2002年。その歴史の浅さを考えると、出版社が更なる市場の拡大を求めた試行錯誤の結果2008年前後に相次いでヤングアダルト向け人気小説を原作としたマンガ作品の出版を行ったのは自然な成り行きかもしれない。


「日本産マンガブーム」が起きたと言っても日本産マンガの市場は北米ではあくまで「大きなニッチ・マーケット」*1に過ぎない。もちろん2002年以降、その売上が驚異的な伸びを示したことは間違いはないが、現在日本産マンガを扱う北米出版社が売上やファン層の拡大に行き詰まりを感じていることも確かだ。



個人的には、この「米産原作をもとにしたマンガ化の成功」が、市場に行き詰まりを感じる北米のマンガ出版社にとって大きな意味を持ち、短期的にはその生き残りの方向性を示していると見ている。


そう考えたのは以下のような理由だ。

1.北米読者の感覚・感受性に合ったストーリー展開


少女マンガを例にすると、海外での日本産少女マンガ人気は報道されることが多いが、実際に海外(この場合北米)における読者の少女たちが日本産少女マンガに感じる違和感について報道されることは少ない。特に北米でメガヒットしている日本産マンガに子供向けが多いのは、北米と日本とのマンガ読書習慣の違いを考慮しても、その内容に内在する様々な文化的違いが寄与している可能性は高い。これに対して、北米産の原作を使った場合、その物語はそもそも北米読者がターゲットなので、内容に読者が違和感を持つ可能性は少ない。


2.知名度の高さ(マンガファン以外、例えば原作ファンへの訴求力)


前回の記事でも述べたとおり、既にファンがいる小説や小説家を原作に使用した場合、マンガファンのみならず原作ファンへの訴求力もあると考えられる。


3.製作者としての権利の保有


契約内容によってそれぞれなのであくまで推測だが、北米マンガ出版社が日本産マンガのライセンスを購入して出版した場合、作品がヒットして商品化などが行われても出版社の権利はかなり限定される。しかし自社で製作した場合、その作品に対する権利は非自社製作作品より大きいだろう。つまり、成功した時の見返りが大きい。


ただそうは言っても実際には出版社にとって、知名度の高い原作を使ったマンガ化作品はリスクの大きい企画ではある。実際の数字はわからないが、クーンツの小説の「コミックス化権」のほうが日本産マンガの「ライセンス料」よりもはるかに高いことは容易に想像がつく。知名度の高い原作を使用して失敗した場合、出版社にとって痛手は大きいだろう。


しかし、以上に挙げたような理由から北米産原作のマンガ化作品が日本産マンガよりもヒットする確立が上がれば、出版社は益々人気原作に頼り、極端な言い方をわざとすれば、北米マンガ出版社が「日本産マンガ離れ」を起こすことも可能性としてはある。


実際にアニメの場合だと、アメリカの大手ケーブルTVカトゥーン・ネットワークは放送枠に自社製作アニメを増やす傾向にあり、2000年頃に比べると明らかに日本アニメの放送枠が減っている。



<メディアとしてのマンガのローカライゼーション>



海外での日本マンガ人気を語る際に使われた「クール・ジャパン」という言葉が喚起するのは、日本のアニメ・マンガが海外のポップカルチャーの中で特権的な地位を得ているかのような感覚であり、「コンテンツとしての優秀さ=国際競争力」でその地位が保障されているという錯覚であった。たとえ「クール・ジャパン」という言葉で連想される状況がもし仮にあったとしても、状況は刻々と変化しているのにも関わらず、だ。


北米でも日本産マンガの消費が進んだ結果、当然のことながら日本産マンガに影響を受けた作品が以前にも増して次々作られている。その結果、その影響を取り込みながら現地の人々が現地の人々の感性に合った作品を作っている。最初は「日本産」であることに拘ったファンも、いつか産地に拘らなくなるかもしれない。日本ではあまり知られていないが、アニメで言えば、北米では日本産アニメに強く影響を受けた北米産“アニメ”が、日本産とは比べものにならないくらい大きな人気を博している。


例えば「問題のあるシーンをカットする」「右開きのマンガを左開きに変える」というようなローカライゼーションとは別の次元で、メディアとしてマンガのローカライゼーションが起こっていると考えるとわかりやすいかもしれない。北米では日本産マンガ流入の結果、当たり前のことだが北米固有のマンガ製作、マンガ出版、マンガ消費行動が起こっている。その製作・出版・消費行動の違いの背景には、例えばコミックスを巡る歴史的なもの、流通などの物理的なものから文化的価値観など様々な要因があると考えられるだろう。


筆者自身は、現地産の人気マンガや人気マンガ家が生まれることは大歓迎であり、それこそが世界的なマンガの普及に必要なことだと考えているが、将来「MANGA」という言葉だけ残って「日本産マンガを消費するのは日本人だけ」という事態を避けたいと考えるならば、海外におけるメディアとしてのマンガの違いと背景を理解しようとすることも大事なのではないだろうか。



<余談:マンガ出版社によるコミックス出版の試み>



ここからはまったくの余談になるが、2008年『In Odd We Trust』を成功させたDel Reyが同年発表していた新たな試みについて少し触れたい。


『In Odd We Trust』の成功を受けてDel Rey社はクーンツ以上に知名度の高いベストセラー作家であるスティーブン・キング原作の『タリスマン(Talisman)』のグラフィック・ノベル作品の出版(2009年11月出版予定)を発表した。前回取り上げたDel Reyの他の2作品(『In Odd We Trust』『5つの願いごと』)のように「マンガ」として最初から単行本(ペーパーバック)で出すのではなく、同社初のコミックブックのミニシリーズ「グラフィック・ノベル」として出版し、後に単行本化する予定だ。


Del Reyは大手出版社ランダムハウスのマンガ部門として2004年から出版を開始し、基本的に講談社ランダムハウスの提携をもとに講談社のマンガと少数のオリジナルマンガを出してきた。他の北米マンガ出版社であるVIZ MediaやYen Pressのように雑誌は持たず、最初から単行本で出している。


それが今回、初のコミックブック形態での出版、しかもマンガとしてではなく「グラフィック・ノベル」を強調したプロモーション展開を行っている。作画に近年人気のSFグラフィック・ノベル『Y The Last Man』のアーティスト、トニー・シャスティーン(Tony Shasteen)を起用。


筆者は『In Odd We Trust』の成功でDel Rey以下、北米のマンガ出版社が同じような試みを続けるのかと思っていたが、当のDel Reyはキング作品の「マンガ」化ではなく「コミックス」化を仕掛けてきた。


この『タリスマン(Talisman)』コミックス化でDel Reyが読者として想定しているのは、自分たちのこれまでの顧客であるマンガ読者ではなく、コミックスの読者、更にキングの小説の読者である。(いずれもマンガの読者より年齢層が高いと考えられる。)マンガ読者だけでなくコミックス読者に対しても出版することにした背景には、ある時期からほぼ独占していた講談社のタイトル供給がKodansha USAのアメリカ進出によって不安定になるという懸念もあるのかもしれないし、コミックスに将来性を感じたからかもしれない。


個人的には、Del Reyがとった今回の、メインストリームを狙いながら、同時に「コミック出版の基本に帰る」とも見える戦略がとても興味深い。


「2008年の10大ニュース」は北米のマンガ市場を扱ったものなので入れなかったが、2008年は米産グラフィック・ノベル『Watchmen』が爆発的に売れた年だった。多くの業界関係者やファンがマンガ市場の停滞を口にして、「これからはマンガではなく、グラフィック・ノベルが売れる」という発言も度々聞いた。


マンガを専門としたレーベルだったDel Reyがコミックスを出版するのは、その変化の象徴とも言える。今月出版される(予定の)『タリスマン』の売れ行きには注目していきたい。


スティーブン・キングの『タリスマン』日本語版。

タリスマン〈上〉 (新潮文庫)

タリスマン〈上〉 (新潮文庫)

*1:9月27日「東京コンテンツプロデューサーズ・ラボ(TCPL)」にて行われた「世界から見た日本コンテンツ、その強みとは?」で講演をしたアニメニュースサイト「アニメ!アニメ!」数土氏の発言より。

北米マンガ事情:アメリカ産原作のMANGA化(1)

まず今回のテーマの説明(言い訳?)から。


最近ネットとリアルの両方で度々「“2008年北米マンガ界10大ニュース”の続きは?」と聞かれることが多いのですが、街では2010年のカレンダーとか手帳が売られている昨今、今更「2008年北米マンガ界10大ニュース」でも無いだろー…と思い、すっかり放置モードでした。


ただ今回ちょっと思うところがあって続きを載せることにしました。超今更な感じが否めませんが、この「2位」の話題に限って言うと間違いなく2009年にも、更には来年以降も関係あると思われるので、「2008年北米マンガ界10大ニュース」の「2位」で取り上げる予定だった記事に手を加えたものを掲載します。この記事を今掲載する意味をはっきりさせるために、今までの「10大ニュース」では入れないようにしてきたわたし個人の意見も弱冠入れました。


そもそも「北米マンガ10大ニュース」を始めたのは、日本のマンガ読者・マンガ業界の方々にもっと北米マンガ事情について知っていただきたい、という気持ちからでした。わたし自身、海外マンガ専門エージェントとして働くなかで、あまりにも北米事情について知られていないことが多いと日々感じているからです。今回の記事にご意見などありましたら、当ブログ管理人ceena(椎名)までメールをいただけたらと思います。


言い訳が長くなりましたが、「2008年北米マンガ界10大ニュース」第2位アメリカ産原作のMANGA化作品の成功」です。

以前の記事を読んでいない方は第10位第9位第8位第7位第6位第5位第4位第3位の記事も合わせてお読みください。


その上記事まで長くなったので2回に分けます。しつこいですがもう少しだけお付き合いくださいマセ。

(注意)

このブログで「マンガ」「コミックス」という言葉を使う場合、「マンガ」は「日本のマンガのスタイルで描かれた作品」、「コミックス」は「西洋のコミックスのスタイルで描かれた作品」と区別しています。


第2位

アメリカ産原作のマンガ化作品の成功:“マンガファン”以外の読者拡大の可能性


景気の良い話題が少なかった2008年のアメリカのマンガ業界の中で、明るい話題を提供していたのが「アメリカ産原作のマンガ化作品の成功」だった。それはアメリカ産小説、アメリカ産テレビ番組など、アメリカで既に知名度のある作品を原作として使ってアメリカで製作されたマンガの成功を指す。


当ブログ「2008年北米マンガ界10大ニュース」の「第7位 J-OEL:日本人による非日本産マンガ」でも取り上げたように、以前に比べると活発ではないものの、北米の出版社は日本産マンガの翻訳版を出版するだけでなく、自社オリジナル作品の出版も行っている。「第7位」の「J−OEL」とは、北米の出版社主導で製作され、作画担当に日本人マンガ家を採用する作品を指し、記事ではそのような作品の増加について書いた。


今回「第2位」として選んだのは、アメリカ産マンガの原作によく知られた作品が使われた場合、つまり出版社が自社でオリジナルのマンガを製作するところまでは「OEL」や上で述べた「J−OEL」と同じだが、その原作に既に北米で知名度のあるアメリカ産作品を使ったマンガ化の場合である。



アメリカ産ヤング・アダルト向け人気小説のマンガ化>



その成功作品として筆頭に挙がるのはDel Rey社から2008年6月に出た『In Odd We Trust』だ。原作はベストセラー作家ディーン・クーンツ。クーンツが自身の人気シリーズ「オッド・トーマス」の番外編を原作として書き下ろし、オーストラリア人マンガ家クィニー・チャンが作画を担当。同シリーズは死んだ人の霊が見える青年オッド・トーマスを巡る物語なので、Tokyopop社からオリジナル作品『Dreaming』を出しホラーマンガ家として知られたクィニー・チャンが抜擢されたのだと思われる。

↓原作クーンツ/作画チャンの『In Odd We Trust』。もちろんこの題名は米ドル紙幣に書かれている「In God We Trust(我々は神を信じています)」のもじりだ。

In Odd We Trust (Graphic Novel) (Odd Thomas Graphic Novels)

In Odd We Trust (Graphic Novel) (Odd Thomas Graphic Novels)

↓日本版・小説「オッド・トーマス」シリーズ第1弾。

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)


日本での知名度は今ひとつの感があるクーンツだが北米での人気は高く「オッド・トーマス」シリーズも若い読者に人気がある。加えてクーンツ自身が人気シリーズの過去のエピソード書き下ろしたということで、『In Odd We Trust』は発売から1年以上経っても売れ続けた。筆者の個人的な意見では、マンガとして読んだ場合クィニー・チャン作品では前作の『Dreaming』のほうが出来はよほど良いと思うが、にもかかわらず成功したのはクーンツの知名度マーケティング+プロモーションの勝利と言うべきだろう。


更にDel Rey社からはテリー・ブルックスによるヤング・アダルト向け人気ファンタジー小説「シャナラ」シリーズのグラフィック・ノベル化作品『Dark Wraith of Shannara』が登場。こちらも作家本人によって書き下ろされた新作エピソードが原作である。本作自体は「マンガ」ではなく「グラフィック・ノベル」とうたわれているが、その絵柄がマンガ的だったこともあってマンガファンからも注目された。

↓Del Rey社から出版されたグラフィック・ノベル『Dark Wraith of Shannara』。

Dark Wraith of Shannara

Dark Wraith of Shannara

↓日本版・小説「シャナラ」シリーズ第1作目。

シャナラの剣 上

シャナラの剣 上


Tokyopop社もHarper Collins社と提携し、ヤング・アダルト向けとして既に人気のあった小説のマンガ化作品を出している。その中で特に売上が好調なのはエリン・ハンターの「ウォーリアーズ」シリーズとエレン・シュライバーの「ヴァンパイア・キス」シリーズ。Tokyopopはこれに加えて『スタートレック』『ウォークラフト』『ゴーストバスターズ』『バトルスターギャラクティカ』など映画、テレビ番組のマンガ化を次々と出版。今回の「アメリカ産原作」には当てはまらないが、今年はあのNHKのキャラクター「どーも君」マンガも出した。

↓エリン・ハンター原作「ウォーリアーズ」シリーズ1作目のマンガ化作品である『The Lost Warrior』。2008年で3巻まで出ている。

Warriors: The Lost Warrior (Warriors Manga)

Warriors: The Lost Warrior (Warriors Manga)

↓原作である小説「ウォーリアーズ」シリーズの日本語版1作目。
ウォーリアーズ〈1〉ファイヤポー、野生にかえる

ウォーリアーズ〈1〉ファイヤポー、野生にかえる


↓エレン・シュライバー原作「ヴァンパイア・キス」シリーズのマンガ化。講談社「モーニング国際新人マンガ賞」第1回優勝者remが作画を担当。本作品のマンガ化は3巻まで出ているがremによる作画は2巻まで。

Vampire Kisses: Blood Relatives, Volume II

Vampire Kisses: Blood Relatives, Volume II

↓原作である小説「ヴァンパイア・キス」シリーズの日本語翻訳版。
ヴァンパイア・キス1 転校生は吸血鬼

ヴァンパイア・キス1 転校生は吸血鬼

TOKYOPOPによる「スター・トレック」シリーズのマンガ化作品。ここにあげた3巻の表紙は、講談社モーニング・ツー』で現在連載中『ピポチュー』のマンガ家フェリーぺ・スミス(日本在住)の手によるもの。

Star Trek: the manga Volume 3: Uchu

Star Trek: the manga Volume 3: Uchu


TOKYOPOPによる「どーも君」マンガ化作品。

Domo

Domo

この他、「2008年北米マンガ界10大ニュース」第4位でも取り上げた北米で唯2のマンガ雑誌のひとつで2008年に創刊された『Yen Plus』は、ヤングアダルト向け小説で人気のジェームズ・パターソンによる「Maximum Ride(マキシマム・ライド)」シリーズのマンガ化作品を創刊号から連載開始。単行本は2009年に入って出され、マンガ単行本売上リスト上位の常連となっている。

↓パターソンの「Maximum Ride」シリーズのマンガ化作品1巻。作画は韓国人マンガ家NaRae Lee(韓国在住)。

Maximum Ride: The Manga, Vol. 1

Maximum Ride: The Manga, Vol. 1

北米でTokyopopに次いで積極的にオリジナルマンガを出版してきたSeven Seas Entertainment社は2008年にPSPゲームソフト『Death Jr.』を原作とするマンガ化作品『Pandora: Death Jr.』を出した。

PSPゲームのマンガ化である『Pandora: Death Jr.』

Pandora: A Death Jr Manga (Death JR.)

Pandora: A Death Jr Manga (Death JR.)

<マンガファン以外の読者の取り込み>


もともと『スター・ウォーズ』『HALO』など人気SF映画やゲームの“コミックス化”は北米でも過去多く行われてきた。北米では日本と違い、コミックス(またはグラフィック・ノベル)は基本的には一部のファンが読むものである。そのため、コミックス化される作品には北米のコミックスファン層=20代後半以上の男性に人気があるジャンルの映画やTV番組が比較的多い。


しかし北米でのマンガ人気の歴史の短さゆえか、マンガスタイルを使った“MANGA化”に限って言えばTokyopopによる『スタートレック』マンガなどまったく無いわけではないものの、今まではあまり積極的に行われて来なかった。


2008年に出たDel Rey社の『In Odd We Trust』の成功で注目すべきなのは、一部に熱狂的なファンを持つSF作品やファンタジーではなく、ベストセラーリストに数々のヒット作を送り込んだメインストリームの作家であるクーンツによる原作をもとにしている点と、そのメインストリーム作家の原作のコミックス化がマンガのスタイルで描かれた、という点である。クーンツの知名度を考えると、今回のヒットは通常のマンガ読者以上の取り込みに成功したことが鍵となっていることは想像に難くない。


マンガファンだけでなくメインストリーム市場をターゲットに製作されたマンガ作品の例を他に挙げると、歌手のアヴリル・ラヴィーン製作協力の『Make 5 Wishes』(2007年)になるだろうか。ラヴィーンのニュー・アルバム発売に合わせて出版され、アルバムのプロモーションでラヴィーンがテレビ出演した時にこのマンガについて語ったことが功を奏したのか、予想以上の売上をあげた。

↓ラヴィーン製作協力『Make 5 Wishes』の日本語版『5つの願いごと』1巻。2巻まで出ているが、1巻のみ作画を担当したカミラ・デルリコは筆者が日本でのエージェントをつとめる。このマンガ家さんに興味のある方は当ブログ管理人・椎名までご連絡ください。(スイマセン、宣伝でした。)

アヴリル・ラヴィーン 5つの願いごと 1

アヴリル・ラヴィーン 5つの願いごと 1


そもそも北米産のオリジナルマンガ作品が成功した例は今まで多くなかった。


宣伝という点で見ると、日本産マンガの翻訳作品の場合は出版前にマンガファンの間の認知がある程度確保できる。それは例えば、北米マンガファンはネット上で日本のマンガ情報をかなり把握している場合が多く、米マンガ出版社は日本マンガの出版ライセンス取得をコンベンションなどで1年近く前から大々的に発表するからだ。それに対して『Yen Plus』に掲載されている少数の例外作品を除き、雑誌の存在しない米出版社の出すオリジナル作品に対しては、たとえ事前に宣伝を行ってもファンの期待度を予測しにくい。


しかし、アメリカで人気のある小説が原作の場合は、既に存在する原作ファンへの訴求力に頼ることができる。その上通常のマンガ読者も手に取ることもあるので、ヒットになる可能性が高い。とりわけ北米でのマンガ読者はティーンエイジャーが主要な読者層(大学生になるとマンガを卒業する)と言われているので、ヤング・アダルト向けの人気小説やゲームを原作に持つことのメリットは大きい。



北米マンガ業界にとって新規読者を開拓するのは常に大きな課題であり、メインストリームの作品を楽しむ市場からの読者の取り込みは大きく業界に望まれていることである。2008年におけるアメリカ産原作をもとにしたマンガ化作品の成功は、これからの北米でのマンガ市場の課題とその可能性を示すものであった。

この記事、次回に続きます。

虫マンガの決定版!?『昆虫探偵ヨシダヨシミ』実写映画化決定!

『モーニング』と『モーニング・ツー』の雑誌間流浪連載中・局地的大人気マンガ『昆虫探偵ヨシダヨシミが、なんと哀川翔主演映画化!ホントです。


昆虫探偵ヨシダヨシミ (モーニング KC)

昆虫探偵ヨシダヨシミ (モーニング KC)


詳しくは『モーニング』公式サイトのページ↓で!
注:ネタにあらず!『昆虫探偵ヨシダヨシミ』、誰もが驚く映画化決定 …!

↑このページにはヨシミに扮した哀川翔さんの写真アリ!


「注:ネタにあらず!」と書いてないと、当ブログ管理人のようなファンすらも思わず「これはネタかな?釣りかな?時期はずれのエープリルフールかな?」と勘ぐってしまうような驚天動地の実写化です。


昨年「局地的大人気!『昆虫探偵ヨシダヨシミ』」と題して当ブログでも既に『ヨシダヨシミ』を紹介させていただいていましたが、あの町山智浩さんも少し前ご自分のブログで『ヨシミ』を取り上げていらっしゃいました。


「虫ブームの頂点に叩きつける感動巨編!」

…といっても虫をまったく擬人化せず、正確な生態に基づいた描写とセックス(交尾)、バイオレンス(虫の喧嘩)、ドラッグ(樹液)あふれるハートウォーミングでマヌケなストーリーが展開します。

感動巨編『ヨシダヨシミ』実写映画、来年の公開が楽しみですね!



…ちなみに『ヨシダヨシミ』の作者さんは青空大地さんです。ヨシダヨシミではありません。

「もやしもん」第1巻、アメリカ版カバーが話題!アメリカでもカモせるか?

メチャクチャ忙しくて色々なところで不義理をしています。申し訳ありません。でも、ちょっと仕事からの逃避もかねてひとつ。


来月末にアメリカで出版される講談社刊『もやしもん』第1巻の表紙が、発売前からアメリカのマンガファンの間で話題になっています。


こちらがアメリカ版1巻の表紙

(C)Ishikawa Masayuki/Del Rey

(↑星条旗の☆がオリゼーになっているの、わかりますか?)


こちらがもともとの日本版1巻の表紙

(C)石川雅之/講談社


確かにオリジナル版はアメリカで売るには地味だったかもしれません。でも、アメリカのマンガファンにはオリジナル至上主義、つまり「日本版とまったく同じもの」を尊重する傾向が強いので、アメリカ版に別の表紙をつける決断をするのはそれなりに勇気が必要だったと思います。


しかも表紙を変えるためには、作者と日本の出版社とアメリカの出版社(それから場合によってはわたしのようなエージェント)との緊密な連携が必要。思ったより簡単にできるものではないのです。



それだけアメリカでの出版元Del Reyが『もやしもん』に力を入れている証拠かもしれませんが、この表紙がデザイン自体の工夫もあって好評価を得ているだけでも、その手間が報われていると思います。


オリジナル至上主義の読者が多くても、場合によっては現地の一般的な嗜好・価値観に合わせることもすごく大切。個人的には今回のようなローカライゼーションには大賛成です!敢えて大英断!と言っておきましょう。



もちろん、わたしも『もやしもん』は大好きです。新表紙のついたアメリカ版も売れて欲しいなぁ。



↓日本版8巻。ここまで各巻の表紙に統一感が無いといっそ清々しいですね。

もやしもん(8) (イブニングKC)

もやしもん(8) (イブニングKC)

アメリカでもかねてから濃いマンガ読みからは翻訳版が待望されていた『もやしもんアメリカ版。

Moyasimon 1: Tales of Agriculture

Moyasimon 1: Tales of Agriculture

オリゼー、カワイ過ぎ。