レズビアンとバイセクシャルの女性のための最大手サイトによる“百合”アニメ・マンガ紹介

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レズビアンとバイセクシャルの女性のためのエンターテイメントサイト AfterEllen.com は8月8日付けの記事"Introduction to Yuri Manga and Anime"で、日本のアニメとマンガは女性同士の恋愛関係を特殊なものとしてではなく公平に描いていると評価し、お勧め“百合”アニメを3篇（『美少女戦士セーラームーン』『バトルアスリーテス大運動会』『少女革命ウテナ』）紹介している。

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日本のマンガやアニメではレズビアン的要素の入ったものを、性的であるかロマンチックであるか、または露骨であるか無いかに関係無く“百合”または“少女愛”と呼ぶ。
1940年代に入って少女をターゲットにするマンガが出始めるとマンガは一大産業として更に成長していった。革新的マンガ家・手塚治虫も少女マンガ『リボンの騎士』を発表。この物語はドラマ、冒険、ファンタジー、悲劇、ユーモア、ロマンスなど様々な要素の入った洗練されたストーリーを持っていた。
70年代に入るとマンガは女性同士の恋愛関係を扱い始める。山岸涼子の1971年の作品である『白い部屋の二人』は全寮制の学校の寄宿舎で同室のレジーヌとシモーヌが恋愛関係に発展する様子を描き、レズビアンを扱った最初のマンガとなった。翌年には池田理代子が“百合”要素のある『ベルサイユのばら』を発表して大人気となる。
『ポケモン』などの大ヒットで日本のアニメは子供向けというイメージが一般に浸透しているかもしれないが、実際には多くのアニメが若い視聴者向きではない。
そして日本のマンガとアニメは異性愛と同性愛をかなり同等に扱っている。ホモ、レズの恋愛は殆どの物語の中でただそういう関係だというだけで特殊なものではなく、同性愛のカップルが直面する困難も異性愛のカップルが直面するものと変わりがない。時折レズビアンの関係にショックを受けるキャラクターも登場するが、そのショックは単に少数派という理由からだけであり、多くの場合その関係を受け入れるようになる。

『鋼鉄天使くるみ2式』では、那己がくるみの「ご主人さま」になったことで那己の親友うるかがくるみに嫉妬する。うるかの父親は娘の那己への恋愛感情とくるみへの嫉妬心を知っても少しも動揺せず、レズビアンの娘の幸せを願って娘を助けようとさえする。
『美少女戦士セーラームーン』では、最も良く知られたレズビアンのカップルである天王はるかと海王みちるに加えて、ほとんど全ての女性キャラクター同士にレズビアン的関係性がほのめかされている。とは言え“百合”アニメ・マンガが他のジャンルに比べて極端に数が少ないように、このシリーズの中でも恋愛は――異性愛だろうがレズビアンだろうが――いつも話の中心というわけでは無い。
この『セーラームーン』のようにアニメやマンガに出てくる多くの少女たちはヒロインであり同時にヒーローである。このため多くの少女達はその性的志向に関係無く中性的魅力も持っている。
西洋では殆どのアニメの販売会社がアニメを子供向けと考えているので、沢山のシーンや会話が編集でカットされている。オリジナルに近い形でアニメを体験する為には英語字幕付きの日本語音声で見る事をお勧めする。
アニメと同タイトルのマンガが出版されていることも多く好きな方を選ぶ事ができるが、同じキャラクターが登場してもストーリーが変わっていることがあるのでアニメとマンガの両方を楽しむのもいいだろう。ストーリーが気に入るかどうか試してみるならマンガの方が安上がりかもしれない。
レズビアンとバイセクシャルの女性がテレビや他のメディアからどんどん消えていっている時代に、オルタナティブなメディアがレズビアンに存在感を与えているのを見るのは心強い。

下に紹介するのは人気のある“百合”アニメ。マンガも出版されている。アニメはレンタルできる可能性もあるが、他のレズビアン映画と同様に絶対見たければ購入するしかない。
『美少女戦士セーラームーン』

レズビアンのカップルみちるとはるかが登場するのはシーズン３以降。
二人は互いに深く愛し合っていていつも一緒にいるため、時々他のキャラクターたちから羨ましがられている。『セーラームーン』の女性同士の愛の描き方は素晴らしい。必見。残念ながらこのカップルが登場するのはシーズン３（『美少女戦士セーラームーンＳ』）とシーズン５（『美少女戦士セーラームーン　セーラースターズ』）そして映画『セーラームーンＳ』『セーラームーンSuperS スペシャル』だけ。
『バトルアスリーテス大運動会』

運動会のシーンは派手でスラップスティックの要素が強いが、同じくらいシリアスな面も持った作品。シリーズの序盤で自分に自信を失くし家に帰ったあかりに戻ってくるよう説得する友人の一乃。二人の間に強い友情が生まれるが徐々に二人の関係は試練の時を向かえる。あかりの一乃への恋がこの作品を女性同士の愛の物語にしているが、他のキャラクターの間にも同様な愛が芽生えていることが示される。
『少女革命ウテナ』

現実とフィクションの境界をあいまいにするようなこのシリーズはアニメ初心者向きではない。基本的なストーリーは無害のようだが、つじつまが合っていない物事も受け入れる柔らかい頭を見ている側に要求する作品。
王子様になる事を望む主人公ウテナとアンシーの友情がシリーズを通して根底にあるが、実際のレズビアンの関係は樹璃の枝織への片思いの方である。映画版ではウテナとアンシーの過去がより強調され、二人はお互いへの愛と信頼こそが自分たちの過去と向き合う鍵となることを知るようになる。