日本文化紹介本『アニメ・コンパニオン:アニメの中の日本』。

今日のエントリーは本の紹介。本の題名は『アニメ・コンパニオン2:アニメの中の日本(Anime Companion: What's Japanese in Japanese animation?)』。以前出版された同名本の第2巻だ。以前本書の発売について取り上げ、その時1巻の内容についても少し触れたが、今回は昨年発売された2巻の内容を紹介する。

↓今回紹介する『アニメ・コンパニオン:アニメの中の日本』第2巻。

The Anime Companion 2: More What's Japanese in Japanese Animation?

The Anime Companion 2: More What's Japanese in Japanese Animation?

↓『アニメ・コンパニオン:アニメの中の日本』第1巻。
当ブログのエントリー「日本文化をもっと知ってもっとアニメを楽しもう『アニメの友:アニメ・コンパニオン』2巻発売。」に内容の説明アリ。

The Anime Companion: What's Japanese in Japanese Animation?

The Anime Companion: What's Japanese in Japanese Animation?

今回紹介する2巻も基本的な内容は1巻と全く同じ。著者が「まえがき」でも述べているように、この本はアニメやマンガについての本ではない。「日本人にとっては普通のことだがガイジンにはそうでない細かな事柄」(本書p.6)を説明するための本である。

・・・ 1巻に「禅」の項目が無いことを不思議に思った読者が少なからずいたようだ。しかし1巻を書いている段階で禅について触れているアニメやマンガを見たことがなかった。これだけたくさん禅に関する英語の本が出版されていることを考えると、“多くの日本人にとって禅はさほど重要でない”という事実は西洋人にとっては驚きなのだ。
・・・(中略)・・・
もし禅、寺、歌舞伎、古典、詩歌など過去西洋で親しまれた日本だけを勉強し日本に行ったとしたら、その国の少なくとも表面的な西洋化や近代化に驚くに違いない。そして自分自身にこう尋ねるだろう。「“本当の日本”はどこだ?」しかしこの質問は馬鹿げている*1。目の前にあるのが“本当の日本”だ。
・・・(中略)・・・
もちろん(アニメ・マンガからだけ、そして禅・歌舞伎・古典からだけ得た見解の)両方でも日本を把握するには不完全だが、アニメ・マンガで得た視点の方が古典や歌舞伎などのハイ・カルチャーより現代日本を理解する助けになるだろう。

(『アニメ・コンパニオン』2巻 6ページより)

つまり本書は、アニメ・マンガを解説するのではなくアニメ・マンガにでてくる日本に固有な文化を説明するための本である。辞典形式でアルファベット順に項目が並び、項目の最後にその項目が扱った事柄が出てくるアニメの場面を解説している。

著者のギルズ・ポイトラス氏によると、以前より設定を過去におくアニメが増えたということで食物や現代の地名の他に、歴史上の人物名・地名も数多く登場する。項目の例をあげれば、「沖田総司」「レインボーブリッジ」「天丼」などがある。

さて、ここまでこの『アニメ・コンパニオン』を紹介してきたが、実際この本は日本人におススメできるのだろうか?

日本文化の解説を英語で読む本と言うと、談社インターナショナルで出版された「英語で話す」シリーズがある。こちらは見開きの左側に日本語、右側に英語訳を掲載している。

↓「侘び」「寂び」の説明も入った『英語で話す日本の心』。アメリカで意外に役に立った。

英語で話す「日本の心」―和英辞典では引けないキーワード197 (講談社バイリンガル・ブックス)

英語で話す「日本の心」―和英辞典では引けないキーワード197 (講談社バイリンガル・ブックス)

しかしこの『アニメ・コンパニオン』は英語を話す人による英語を話す人のための本。日本語は載っていない。しかし上の講談社の本はそうではないがどれとは言わないが最近の軽めの英語勉強本に英語の間違いが多いのは度々指摘されるところ。この本なら英語の使い方に間違いがあることはない。英語自体は難しくないし、勉強としてチャレンジするのも良いと思う。個々の項目の説明が簡潔で短いため長い文章を読むのが苦手な人にも理解し易いかも。

いつの日か、ガイジンさんに日本文化を説明する時役に立つかもしれない。とは言え、忍者の使う武器「鎖分銅」の説明を必要とする日は決して来ないに違いないが。

購入するならアニメ・マンガ関連の本としてではなく「日本文化を英語で説明する英語勉強本」として買うことをおススメする。それからガイナックス認可の綾波の浴衣姿絵の表紙目当てとか。

*1:ceena注:この質問は著名な小説家ピーター・ケアリーガンダムファンの息子と訪日した時のことを描いた旅行記『Wrong about Japan』のことを指していると思われる。ケアリー氏は日本文化に関する多くの本を読み知識を得てから日本に来るのだが、実際の日本は彼の想像とはかなり違ったようだ。そして彼はその事にとまどう自分自身を率直に描写し「“本当の日本”とは?」と自問自答するのである。