米ロスアンジェルス郊外の図書館からマンガ研究本が「わいせつ」として撤去。
ICv2の4月14日の記事"Suburban LA County Pulls Manga Text from Libraries: 'Obscene Comics'"より要約。
「わいせつ」として図書館に置かないように言われた本は↓コレ。どっかの本屋さんの洋書コーナーで立ち読みした覚えがある。買ってみようかな。
Manga: 60 Years of Japanese Comics
- 作者: Paul Gravett
- 出版社/メーカー: Harper Design
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: ペーパーバック
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ロスアンジェルス郊外にあるサンベルナディーノ郡管理委員会・委員長のビル・ポストマス氏は、同郡の図書館からマンガの研究本『マンガ:日本マンガの60年(Manga: Sixty Years of Japanese Comics)』を貸し出しリストから除くよう要請した。ポストマス氏は郡のHPで本を「わいせつコミックス」と呼び、この要請について誇らしげにこう発表した。「該当の本は公共図書館に置くには著しく不適当なものです。昨日そのことを知り図書館からただちに撤去するよう要請を出しました」
今回の騒動はある16歳がヴィクトールヴィル町の図書館の「大人向け」コーナーからその本を借りた時に始まった。ローカル新聞デザート・デスパッチ誌によると、その子の母親は本を見て恐怖し、図書館にその本を置かないよう依頼する手紙を書いたのだ。
デザート・デスパッチ紙の記事には、郡図書館集本課コーディネーターであるナネット・ブリッカーバレット氏の言論の自由に基づくコメントも引用されている。
「未成年が大人向けコーナーから何を借りていいか決めるのは親の責任です。図書館は親のように振舞うところではありません。図書館の責任は、提供する本を制限することではなく、広い範囲にわたって提供することにあります。この方針はアメリカ図書館協会による読む自由、書かれたことを見る自由について述べた権利宣言*1に沿ったものです」そして郡の図書館全体には問題になった本が13冊置いてあるという。
2004年にハーパー・デザインから発売されたポール・グラヴェット氏によるこの本は、数章にわたって日本のマンガの歴史や、セックスや暴力を描いた成人向けマンガについて論じている。しかし暴力は明らかに今回の件では問題になっていない。その上、引用された性的場面を扱ったいくつかのコマは、ICv2の見るところでは、全てR指定*2並みでしかも真面目に学究的に扱われているという事実も全く取り上げられていない。
ポストマス氏のコメントやその新聞記事では、その本が“動物とのセックス”を扱っていると大々的にとりあげているが、見方が足りなかったのか、ICv2はそのような内容は確認できなかった。
ポストマス氏はこれ以外にも、図書館に「郡の図書館内にある不適切な本から子供たちを守る計画を作成する」よう要請をだした。