「ジャンプUSA」発売のVizと米ケーブルTVカトゥーン・ネットワークが共同事業:ネットでアニメの無料配信開始。

アメリカで「少年ジャンプ」のUSA版を発売し、集英社小学館系作品のライセンス一切を取り仕切る会社Viz Media。そのVizが、なんと今度は米ケーブルTVカトゥーン・ネットワークと提携した新しい事業を発表した。

ICv2の4月26日の2つの記事「Vizとカトゥーン・ネットワークが一緒に配信事業“トゥーンナミ・ジェットストリーム」「“トゥーンナミ・ジェットストリーム”とDVD売上」より要約。

Vizとカトゥーン・ネットワーク(CN)は「トゥーンナミ・ジェットストリーム(TJ)」という名前の共同事業を行うと発表した。この事業は、『ナルト』『サムライ・ジャック』などのアニメやアクション・シリーズをネットで無料配信するもの。配信開始は7月17日になり、VizとCNが共同で経営やプログラム編成に携わる。

この無料サービスを維持するのは、バナーやCMなど広告。新しいエピソードが週ごとに更新され、古いものも一定期間ネット上で残される。

このサービスにより、現在放映中の作品だけでなくアメリカでケーブルを含めTV放映されていないものも配信される。現在CNの「トゥーンナミ」時間帯で放映中の『ナルト』や、2003年にベスト・アニメ作品としてエミー賞を受賞した『サムライ・ジャック』(CNオリジナル作品)に加えて、現在放映されていない『ヒカルの碁』『メルヘヴン』『テニスの王子様』なども最初の配信リストに入っている。

CNのシリーズ『IGPX』 やVizの『ゾイドジェネシス』も将来配信される予定。

↓Vizのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるジョン・イーサム氏へインタビュー。「配信事業とDVD売上」について。

「トゥーンナミ・ジェットストリーム(TJ)」で配信されるエピソードとDVDの発売に関してお聞きします。DVDで発売される前のエピソードがTJで配信されるのでしょうか?それとも発売後のエピソードですか?またはそういう規則性は無く、作品によって変えるのでしょうか?

私たちの戦略は作品によって変えるというものです。そのためハッキリとした規則性は言うことはできません。私たちはTJを、DVD売上をあげ、ブランドの人気を全体的に高める機会と見ています。TJ配信により作品への興味をかきたて認知度を上げるのです。はっきりしているのは、TJが私たちの作品への視聴者拡大を更に促し、DVDの宣伝となってその売上を伸ばすのを助けるということです。

TJでアニメを見たファンがDVDを買う動機は何でしょうか?

繰り返しておきますが、TJはダウンロードサービスとして計画されているわけではありません。既に申し上げた通り、番組編成の戦略はDVDなどの売上を促進することにあります。エピソードはある限られた期間だけTJで配信されるので、私たちはファンが家で見る時のためにDVDが欲しくなるだろうと期待しています。Vizはアクション・アドベンチャーのジャンルで沢山の作品を抱えています。今回の配信は、ブロードバンドに接続しているアメリカの世帯の半数以上に届く窓口なのです。

TJはアメリカ未放送の作品を新しい視聴者へ届け、その認知度を上げる大きな機会です。そしてそれはVizというブランドのための市場も作り出してくれるでしょう。

いくつかの作品に関して、VizはDVDを買ってくれるファンのために様々な特典を入れていくつもりでいます。例えばノーカット版や、オリジナルの日本語字幕付きエピソード、それにメイキング映像などです。

CNとViz以外の作品をTJで配信するつもりはありますか?

魅力的な作品を色々考慮していますが、現時点では言えません。