米Variety記事「マンガは大作実写映画向き?」:『エヴァ』『セーラームーン』『銃夢』『ロビン』。。。

Variety.comの記事「Manga's the rights fit for majors」より要約。

アニメ・マンガ原作の映画製作に意欲を見せるハリウッド。

そんなこと知ってますヨ。でも実現しそうな映画化って本当にあるんデスカ?」(のだめ風)

が、実は一番気になるところなのだが、そこのところは正直この記事ではよくわからない。とは言え、一回ポシャッたはずの『ロビン』実写化が復活したらしいし、マンガ原作の和製ホラーがまた登場?ということで、とりあえず最新の状況を読んでみてください。

オールドボーイ―ルーズ戦記 (1) (Action comics)
オールド・ボーイ』がカンヌでグランプリを受賞した時、多くの批評家がその作品をアレクサンドル・デュマの『岩窟王』と比べたが、『オールド・ボーイ』のより直接的な原作は日本のマンガだ。同じく日本マンガを原作に持つ香港製作の『頭文字D』は2005年最も興行成績の良かったアジア映画であり、『NANA』は8週間劇場公開で日本の興行成績トップ10入りを果たした。

イ・ミョンセのアートハウス系映画『デュエリスト』に始まって、三池崇の低予算映画『殺し屋1』まで、アジアでは多くの映画にマンガが原作を提供している。アメリカ国内を見ても『Xメン』『スパイダーマン』などコミックス原作の映画が成功している今、アメリカ映画界が、実写映画の新鮮な題材としてアジアのアニメ・マンガに目を向けるのは自然なことだ。

アメリカで『リング』と『オールド・ボーイ』のリメイクを手がけたロイ・リー氏は言う。「アメリカで日本のアニメ・マンガの人気はかなり高まっています。映画会社はこの人気を映画に取り込もうとチャンスを狙っているんです。でも実際に映画が製作されるかどうかは別の問題ですが」
新世紀エヴァンゲリオン (1) (カドカワコミックス・エース)
1997年以来、ハリウッドはアニメ・マンガの権利を買い続けてきた。『セーラームーン』『マッハ Go Go Go』『銃夢』など。しかし最も映画化が期待されている作品はADV Filmの『エヴァンゲリオン』。世界で20億ドル以上を稼いだ人気タイトルだ。3年前にカンヌで映画化が発表されて以来、ファンは製作の進行状況を追うのに余念がない。
同社の広報担当クリス・オール氏によると、「わたしたちは『エヴァ』に関して慎重に事を運んでいます。一つ一つの段階ごとに問題が全くないとは言いませんが、映画化をまかされたことを真剣に受け止めています。最終的に危機的な状況になるとは思っていませんし、ファンの側に強い要望があるのは嬉しいことです」

アニメ・マンガの実写を応援するファンは存在するし、実際にいくつかの作品は製作中だ。しかし多くの映画関係者が、他の誰かが『スパイダーマン』並のヒット作品を出して状況を加速させるのを待っているようにも見える。
Priest Volume 11
サム・ライミのスタジオによって製作され、この秋から撮影が始まる『Priest』がもしかしたらその転機となるかもしれない。TOKYOPOPから発売されている韓国産マンガが原作で、不死の牧師が西部の荒野で悪魔と戦う物語だ。

「映画会社は次世代のコミックスのヒーローに気づきはじめています。この映画を見る人はそれがアジア産とかアメリカ産とか考えないでしょう。ただ良くできているかどうかを判断するだけです」こう語るのはTOKYOPOPのスティーブ・ギャロウェイ氏。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

業界関係者の中には、過去7年間に渡る爆発的人気や2桁の売上上昇にもかかわらず、アメリカでのアニメ・マンガには劇場公開の実写映画を成功させるために必要なほどの市場規模はないと考える人もいる。しかし先に登場したオール氏はこう語った。「いったいどのくらいの人が『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んだことがあるのかわかりませんが、『ブレード・ランナー』は今や古典となっています。『エヴァ』は認知度では『ハルク』に劣るかもしれませんが、『リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い』ほど低くもありません」
Pet Shop of Horrors 1
Weta社は『エヴァ』プロジェクトに関わり既にコンセプト・アートを作成している。ジェームス・キャメロンも過去10ヶ月『銃夢』の製作に必要な技術の開発に携わっているし、『トワイライト・ゾーン』のようなTOKYOPOP発売のマンガ『ペット・ショップ・オブ・ホラーズ』の映画化も準備が進められ、ロイ・リー氏は『ウィッチ・ハンター・ロビン』のTVシリーズの企画を進めている。

「いつかアニメを原作とした素晴らしいSF映画が作られるのは間違いありません。そしてそれを作るのはハリウッドです。何故なら『エヴァ』のようなスケールの映画を作るのをハリウッドが一番得意としているからです。『アキラ』の実写映画も日本の映画会社で作られることはないでしょう。アメリカの会社から強い後押しを受けた国際的な共同プロジェクトになると思います」

アメリカの大手映画会社による初めてのマンガ原作の映画は既に製作を終え、この夏公開される。ワーナー・ブラザーズによる『デス・ノート』。ワーナーは危険回避のため、『バトル・ロワイヤル』で人気のある藤原竜也を主人公に選んだ。

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「『Witch Hunter Robin ウィッチハンターロビン』アメリカSFチャンネル実写ドラマ化断念、『エヴァンゲリオン』ハリウッド実写映画企画は進行中?」(2005年9月8日)