「ニューズウィーク」国際版の記事「日本でもYouTubeが大人気」で、例として『涼宮ハルヒ』が登場。

今年の話題アニメの中でもトップクラスの話題を誇る京アニの『涼宮ハルヒの憂鬱』。

日本でのYouTube人気を伝える「ニューズウィーク」の国際版の9月4日号の記事「日本でもYouTube?(Japan too, YouTube?)」YouTubeによって人気が後押しされたアニメ作品として『ハルヒ』の名前が挙げられている。

ただし、『ハルヒ』に触れられているのはごく一部なので、日本での企業側のYouTubeへの対応などに詳しい人は以下の要約をわざわざ読まなくても大丈夫。

フジテレビ社員の方が「削除依頼メール」YouTubeに送っていたことは知っていたが、一日に数百にも登るとは。。。

アメリカ発のビデオ共有サイトYouTubeが日本でも人気だ。2月以降、日本からのヒット数は月平均6400万ヒットを超え、それ以前のほぼ4倍以上となった。これは英語を使ったサイトとしては日本で前例のない成功である。最近では芸能人のスキャンダルを扱ったテレビ番組のビデオに対して、ほんの数日でヒット数が300万にも達した。

「いかに人々がある特定のビデオを見たがっているかを示していますね」そう語るのはSNSサービス会社GREEのプレジデントである田中良和氏。そして日本が本当に求めているものをいかに他の会社が提供するのに失敗しているかも同時に示している。

YouTubeは日本の旧弊な放送局を揺るがしている。日本の楽天ライブドアといったIT企業がそのコンテンツのためにテレビ局を買収しようとした時には、IT企業側は巨大メディア企業からぞんざいにはねつけられた。しかし、数分に限定された多くのビデオを扱うYouTubeの人気は、既存のメディアをも驚かせ、今の段階ではそのコントロールの外側にある。

ネット・コンサルタントの渡辺聡氏は言う。「不可解ですよね。ネット上にこれだけの日本のTV番組が集められている。見るには便利ですが、本来はそこにあるべきものではないんです」

しかし状況は変化しそうだ。「“どの程度(YouTubeに)影響を受けているか”という質問を度々受けますが、その影響は絶大です。どのくらいの数の番組のビデオがそこにあるのか計算することもできません」こう語るのは、フジテレビの広報担当である上野陽一氏。上野氏によると、フジテレビでは2人の社員が違法コピーを探すこと、そしてYouTubeに送る「削除依頼メール」(1日に数百にのぼる)を担当している。放送局の中には「事態は急を要する」と考えるところも出てきた。

人気雑誌やウエブサイトでは、不安を煽る見出しをつけて巨大メディア側の見解を強調する。YouTubeでテレビ番組をダウンロードするのは法に違反している、というのがそれだ。専門家は、莫大なヒット数と著作権を巡る争いを戦うことは、YouTubeにはかなりの負担となると見る。何故ならYouTubeはまだ日本で広告を売ることに成功していないからだ。

しかし、フジテレビの1部門として今年の7月13日にスタートしたYouTubeの類似サイト「Watch Me!TV」は、広告で収入を得ることを計画中だ。「わたしたちにとってYouTubeはパイオニアです。でもライバルではありません。」「Watch Me!TV」プレジデント/CEOの時澤正氏はそう言って、著作権には十分に配慮をすると付け加えた。

しかし既にYouTubeは一般の話題を生み出す大きなルートにもなっているのだ。地方局で放送されたアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が社会的な現象になったのは、YouTubeに載せられた、パロディを含む2000を超えるビデオ・クリップによるところが大きい。

携帯電話会社のマーケティング担当コジマ・シュンイチ氏*1は、「わたしたちは以前“昨日の夜、あのテレビ番組見た?”と言っていましたよね?YouTubeが広まって以来、その番組について話を出来る人が増えたんです。わたしは会話についていくためだけに、YouTubeをチェックしています」。IT関連の改革者に対して厳しいこの国で、このような会話がいつまでできるのか、見ているのも面白いだろう。

アキバblogさんには「普通じゃ考えられないほど売れてる」というリポートも載っているCD『涼宮ハルヒの詰合』。

*1:調べてみましたが、コジマ・シュンイチ氏のお名前の漢字がわかりませんでした。申し訳ありません。