アメリカでアニメ・ダウンロード販売サービス急増。
最近北米でアニメのダウンロード販売が急激に増えてきた。今年の1月からサービスの始まった「Google Video」、9月初頭からの「Amazon Unbox」、そして新たに北米でのアニメ・ディストリビューターであるADV Filmsがサイト「ADV Universe」を立ち上げ、ADVがライセンスを持つアニメのダウンロード販売を開始した。
価格はどのサービスもコンテンツにより様々だが、基本的に「Google Video」はテレビ番組1.99ドル(約230円)、映画は2ドルから20ドル(約2350円)、「Amazon Unbox」ではテレビ番組1.99ドル、映画は7ドル(約820円)から14.99ドル(約1750円)。そして今回発表されたADVの「ADV Universe」では、アニメは1話4.99ドル(約590円)。
「Google Video」にいち早くコンテンツを提供したのは、米老舗アニメ・ディストリビューターであるセントラル・パーク・メディア。提供した最初の作品は『ブラックジャック』『闘神伝』など。
「Amazon Unbox」で最初のアニメ・ディストリビューターとなったのは、バンダイ・アメリカ。『機動戦士ガンダムSEED』『星方武侠アウトロースター』『無限のリヴァイアス』『天空のエスカフローネ』を現在販売中で、将来『エウレカセブン』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などが加わる予定。(現在バンダイの作品の価格は1.99ドルから4.99ドル。)
「ADV Universe」で販売されているアニメ作品は、『エリア88』『こみっく パーティーRevolution』『ギルガメッシュ』『神魂合体ゴーダンナー』『JINKI:エクステンド』『魔法遊戯 飛び出す!! ハナマル大冒険』『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカて』『ぱにょぱにょ デ・ジ・キャラット 』『プリンセス チュチュ』『ゆめりあ』。全てが吹き変え版。更に映画『Lady Death』、OVA『Parasite Dolls』が19.98ドル(約2330円)で売られている。現在はどのシリーズも最初の2話のみ販売。これから少しずつ増やしてく予定のようだ。
現在の状況をざっと見てみたが、問題はダウンロード販売がアニメ業界全体に与える影響だ。業界サイトICv2も、その見通しはハッキリしないと述べている。ダウンロード販売により価格帯が下がり、手に入れやすくなってファン層が拡大し、結局は既存の小売店も潤うとする見方もある一方、これにより既存のDVD販売との競争が激化しニッチ市場を奪い合うという見方もある。ネット上にあふれるアニメの違法コピーの数を考えると、ダウンロード販売への業界の対応は遅いと見るファンも多い。
ダウンロードへと向かう販売の流れがこのまま続くのは避けられないからには、ファンとしては業界とファンにとって望ましい方向、少なくとも購買意欲の促進によりファン層の拡大には向かって欲しいところ。
(本文中の日本円価格は現在のレートによるものです。)
↓現在「Amazon Unbox」で1話3.99ドル(約460円)で販売中の『機動戦士ガンダムSEED』。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2003/03/28
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参考リンク:
「アマゾン、ダウンロードサービス開始("Amazon Launches Video Download Service: Bandai First Anime Company On Board")」(9月12日)
「セントラル・パーク・メディア、オンライン販売へ("Central Park Media to Launch Anime Online")」(9月13日)
「ADVが自社サイトでアニメ・ダウンロード販売開始。("ADV Selling Downloads on Its Own: At $4.99 Per Episode")」(9月27日)