アメリカでも定着し始めた「ヴィジュアル・ノベル」 。
業界サイトICv2の記事「アメリカでも定着し始めたヴィジュアル・ノベル":『Yo-Jin-Bo』10月30日発売('Visual Novels' Starting to Catch on Here: 'Yo-Jin-Bo' Out October 30th")」(10月6日)より要約。
今までは、アニメ・マンガほど脚光を浴びることがなかったヴィジュアル・ノベル。今までもアメリカで発売されていたが、発売されるものは18禁の作品が多く、大きく話題として取り上げることは少なかった。しかし最近アメリカでもヴィジュアル・ノベルが徐々にファンの目に留まるようになってきたらしい。とは言え、記事の題名は楽観的だが、どの程度アメリカでヴィジュアル・ノベルが売れてきたのかは触れられていない。
ここアメリカではあまり知られていないが、ヴィジュアル・ノベルは日本ではアニメ・マンガと並んでオタクが興味を持つ対称の3大コンテンツの一つだ。マンガのようなストーリーの語り口、アニメのようなヴィジュアル(&サウンド)、ゲームのインタラクティブ性など魅力的な要素を合わせ持ち、この12月にGeneonから発売される『Fate/Stay Night』アニメシリーズを含むアニメ、マンガ、ゲームなどに大きな影響を与えてきた。
アメリカにこのヴィジュアル・ノベルをもたらしたパイオニアであるHirameki Internationalが、10月30日に15歳以上を対象にした『Yo-Jin-Bo 〜運命のフロイデ〜』を39ドルで発売する。
『Yo-Jin-Bo』は、危険な政治的陰謀に巻き込まれた初姫と、彼女を守り一族を脅かす悪を倒そうとする用心棒たちの物語。厳密に言うと「少女向けヴィジュアル・ノベル」だが、侍も登場することから、少年にもアピールするに違いない。
『Yo-Jin-Bo』は日本でとても人気があり、マンガ、ミュージカル、PS2ゲームなど様々なメディアで商品展開している。その親しみ易いJポップのサウンドトラックや、森田成一(『Bleach』の黒崎一護)、高橋広樹(『テニスの王子様』の菊丸英二)、石川英郎(『ナルト』のうちはイタチ)などの人気声優を揃えたキャラクターの声は、アメリカのアニメファンにとっても魅力があると思われる。
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「乙女ゲーム」とも言われている『Yo-Jin-Bo』が、少年にアピールするかどうかは別にして、アメリカで唯一ヴィジュアル・ノベルを頑張って発売し続けているHirameki Internationalの努力がそろそろ報われて欲しいところ。
北米の「ヴィジュアル・ノベル」や「美少女ゲーム」事情は、ULTIMO SPALPEENさんがずっと追っかけていらっしゃるので、そちらの関連記事のリンクを一部貼らせていただきます。リンク先の記事を読むとこのICv2の記事の題名とは裏腹に、状況の厳しさがよくわかります。
↓ULTIMO SPALPEENさんのところの関連リンクです。
「アメリカ市場に恋愛シミュレーションゲームのニーズはあるか?」(1月17日)
「アメリカ版「アニマムンディ」はレイティングで難航?」(3月3日)
「北米市場での、日本製ビジュアル・ノベルの可能性」 (5月17日)
「北米ビジュアルノベル市場の現状と展望――Fanime 2006のパネル・レポート」(5月30日)
「アメリカ市場で日本製美少女アダルトゲームを売る方法」 (6月26日)
「アニメエキスポ2006――日本製ビジュアルノベルの展望」 (7月6日)