アメリカの大学出版部が「日本のアニメ・マンガ」をメインとする学術誌発行。

ceena2006-12-02


アメリカのミネソタ大学の出版部「ミネソタ大学プレス」が、日本のアニメ・マンガを主に扱う学術誌『MECADEMIA(メカデミア)』の発行を始めたようだ。

『MECADEMIA(メカデミア)』のHPはこちら

そのHPの説明によると、『メカデミア』はアニメ、マンガ、そしてそのファンを扱う学際的学術誌で、そのテーマにはマンガ、アニメに始まり、ゲーム・デザイン、ファッション、グラフィックス、パッケージング、玩具、そして日本のポピュラー・カルチャーに関わる広い範囲のファンの活動も含まれる、ということだ。

第1号の目次を見る限り、日本のアニメ・マンガについて本を出したことのある、見慣れたお名前も数々見られる。例えばスーザン・ネイピア氏(『Anime: From Akira to Princess Mononoke』日本題名『現代日本のアニメ』)、アン・アリソン氏(『Permitted and Prohibitted Desires』『Millennial Monsters』)、アントニオ・レヴィ氏(『Samurai from Outerspace』)など。日本からも書き下ろしではないようだが上野俊哉氏、小谷真理氏他の論文が寄せられている。

自分は研究者でもないのでエラソウに言うのは憚られるけれど、日本のアニメ・マンガに関する論文は既に随分前から英語圏でたくさん発表されていたわけだし、アメリカでも大学が専門の学術誌出版という形で日本のアニメ・マンガ研究の中心地として積極的に動くのは歓迎すべきことだと思う。しかもミネソタ大学という評判の良い大学が中心となるのは良いことなんだろう。

個人的には、日本語で書かれた優れた研究論文も日本にはいっぱいあるので、もっと英語に翻訳されて海外の研究者の目に触れて欲しいとずっと思っていた。だから小谷氏など日本人研究者の論文掲載は単純に嬉しい。『メカデミア』では論文を一般公募していたので、願わくば掲載論文のレベルを保ってどんどん発展していって欲しいなぁ。

とりあえず1年に1冊発行のようなので、定期購読してみるつもり。しかし『メカデミア』って言うネーミングはどうですか?

(わたしの別サイト「英語で読むアニメ・マンガ」では、英語で書かれたアニメ・マンガに関する論文の要約を少しだけ載せています。面白い論文がたくさんがあるのでもっと載せるつもりだったのが時間が無くて更新は停滞中。。。)