北米グラフィック・ノベル2006年度売上で史上最高を達成。その理由は…
業界向けニュースサイトICv2やアニメ大手ニュースサイトAnime News Networkの伝えたところによると、2006年グラフィック・ノベルの売上は史上最高を記録した。
日本のマンガもグラフィック・ノベルのカテゴリーに含まれる。
<北米グラフィック・ノベル市場>
年 | コミックス専門店 | 前年比 | 一般書店その他 | 前年比 | 合計 | 前年比 |
---|---|---|---|---|---|---|
2001 | $43 | $32 | $75 | |||
2002 | $50 | +16% | $60 | +88% | $110 | +47% |
2003 | $60 | +20% | $105 | +75% | $165 | +50% |
2004 | $67 | +12% | $140 | +33% | $207 | +25% |
2005 | $78 | +16% | $167 | +19% | $245 | +18% |
2006 | $110 | +41% | $220 | +32% | $330 | +35% |
全て小売レベルの数字で百万ドル単位
(Anime News Network, "North American Graphic Novel Market Size" posted on February 24thより。)
2006年度のグラフィック・ノベルの2006年度の売上は3億3千万ドルで、コミックスの売上は3億1千万ドルだった。年の売上合計でグラフィック・ノベルがコミックスを抜いたのは去年が初めて。そして合計で6億4千万ドルという売上は90年代初頭以来の高い数字となった。(2005年のグラフィック・ノベルとコミックスの合計売上は5億6千5百万ドルだった。)
グラフィック・ノベル成長の理由として、ICv2のミルトン・グリップ氏は以下の4点をあげている。
- 日本の翻訳マンガの急速な売上増加
- 女性読者の増加
- “文学”としてのグラフィック・ノベルの認知
- グラフィック・ノベルを原作としたTV番組や映画の増加
その他、図書館や学校などでも、グラフィック・ノベルの若い読者への人気を利用してグラフィック・ノベルを多く購入するようになっていることも原因としてあるようだ。実際上の表には図書館への売上は含まれていないが、図書館は全体の売上の10%以上を占めているとも言われ、グラフィック・ノベルの市場規模は上の表の数字に10%を上乗せした3億6千万ドルと言われている。
2006年のマンガの売上は、図書館を除くコミックス専門店、一般書店、オンライン書店を合わせて、現在の推定で1億7千万ドルから2億ドルの間のようだ。北米のコミックス市場の26.5%〜31%をマンガを占めていることになる。