アメリカで少女・女性向け専門のマンガ出版社誕生。


米業界向けサイトICv2の4月2日の記事「大手少女マンガ出版社6月出版開始(Major Shojo Publisher Launching in June)」その他で報じられるところによると、ハーレクインマンガ、BLマンガ、そして最近では腐女子ラブマンガ『となりの801ちゃん』などの出版で知られる宙出版アメリカの子会社であるAurora Publishingが、6月からアメリカでマンガを出版すると発表した。

Aurora Publishing自体の設立は2004年に遡るようだが、今年の3月に大手取次Diamond Book Distributorsと契約を交わしこの夏から本格的にマンガの出版を始めるということだ。出版するのは主に日本のマンガだが、世界市場を相手にアメリカ産マンガの出版にも力を入れていくらしい。

今まで宙出版アメリカの出版社Dark HorseDigital Manga Pulishingなどと作品のライセンス契約を結んでいたが、今回初めて直接的にアメリカ市場に参入することになった。

Aurora Publishingでは女性(少女)向け作品をAuroraレーベルで、BL作品をDeuxレーベルとして発売していく。

最初に出版する作品はAuroraレーベルでたまきちひろ氏の『Walkin' Butterfly』 、浜田翔子氏『天使の群れ』、大橋薫『オカルトゾーン』、Deuxレーベルで立野真琴氏、山田ユギ氏、内田一菜氏の作品が予定されている。

今までBL作品だけを出版する出版社はあっても、少年・青年向けを一切出さず、女性・少女向けだけを出版するマンガ出版社はアメリカにはなかった。Aurora Publishing自体は、自分たちを「女性・少女専門マンガ出版社」と呼んでいるわけではないが、宙出版との連想もあって英語圏の記事ではこの新出版社を女性・少女向けマンガ専門出版社と受け止めている傾向が強い。そしてそのことが、この新しい出版社にマンガファンの注目を集める原因となっている。

それと言うのも、北米では現在「女性向けマンガ」があまり成功していると言えないからだ。数年前から「少女マンガ」が大方の予想を裏切って売上を伸ばしている中、少し年齢層が高め向けの少女・女性マンガはいくつかの作品を除くと伸び悩む傾向にある。特に女性向けと認識されている『のだめカンタービレ』の北米での売上の苦戦がその印象に拍車をかけているのかもしれない。

これからは女性マンガもアメリカで受け入れられていくようになるか?北米のマンガファンはAurora Publishingの健闘を期待しているようだ。。

↓Aurora Publishing出版マンガ第一弾。たまきちひろ氏の『Walkin' Butterfly』。

Walkin' butterfly (1) (Ease comics)

Walkin' butterfly (1) (Ease comics)