米ファンへのCLAMPの影響をテーマにした『CLAMP・イン・アメリカ』、アメリカで出版。
本題の前フリでサンディエゴのコミックスのコンベンションの話題から。
アメリカでは現在世界最大のコミックスのイベント『Comic-Con International San Diego』通称「サンディエゴ・コミコン」が開催されている。期間は24日(水)の夜から27日(日)まで。
企業によるイベント、ブースの展示、サイン会、パネルディスカッション、コスプレ大会、と開催期間中は数百にのぼる催しがあるというコミックスの一大祭典だ。
参加者数を延べ人数で出し昨年55万人を突破した「コミケ」とは単純に比べられないが、この「サンディエゴ・コミコン」では4日間通し券などを含むチケットの販売数で計算し、昨年の参加人数は12万5千人強。ただし消防法の規制などがあってこれ以上は増やせないらしい。今年は当日券は発行せず前売券のみで、その前売券も「コミコン」開始前に売切となった。
その「コミコン」では各出版社による新作発表も目玉イベントのひとつ。特に日本のマンガを翻訳出版している出版社の発表イベントには、新たに北米で出版されることに決まった日本マンガがどの作品になるか、ファンやメディアが集まっていち早く知ろう、報道しようと待ち構えている。
このように通常マンガの新タイトル発表の場となる北米のマンガ出版社のイベントで、今年はちょっと変わった本の出版が発表された。
それは『CLAMP in America(CLAMP・イン・アメリカ)』。マンガ家CLAMPが現在までに米アニメ・マンガファンに与えてきた影響を振り返る内容になると言う。
マンガ家CLAMPの北米での人気ぶりについては、過去にもこのブログで何度か取り上げてきた。(↓ちょっと古くてすいません。)
「CLAMP、今夏の初訪米でVIP待遇?」(2006年4月24日)
「ニューヨーク・タイムスがCLAMPの紹介記事を掲載。」(2006年11月29日)
今までも例えば『ワンピース』『鋼の錬金術師』他CLAMPの『ツバサ』の「アート・ブック」「キャラクター・ブック」*1などは北米でも発売されてきたし、海外の研究者による宮崎駿氏や押井守氏などのアニメ作家の研究本*2は存在していた。しかし日本のマンガ・アニメ作品に限った話だと、一マンガ家の(作品、作家評論ではなく)“日本国外のファンに対する影響”というテーマを扱った本はかなり珍しい。
この『CLAMP・イン・アメリカ』を執筆するのは、米マンガ出版社ナンバー1のVIZ Mediaの編集者Shaenon Garrity氏。そしてその本を出版するのは同じく米マンガ出版社でビッグ3の一つDel Rey。
出版は偶然CLAMP結成20周年にあたる来年の2009年。どのような内容になるのか、ものすごく楽しみだ。
(追記:アメリカのマンガ・ライターで編集者のエド・チャベス氏から上の文章の“ビッグ3”の言い方が誤解を与えるとの指摘がありました。是非コメント欄もチェックしてみてください。)
*1:↓『ハガレン』アート・ブック。 The Art of Fullmetal Alchemist 2
*2:↓宮崎駿・研究本のひとつ。 Hayao Miyazaki: Master of Japanese Animation : Films, Themes, Artistry Stray Dog of Anime: The Films of Mamoru Oshii The Astro Boy Essays: Osamu Tezuka, Mighty Atom, and the Manga/Anime Revolution