日本の特撮+プロレスショー「怪獣大戦闘」アメリカTV・デビュー。
『怪獣大戦闘 Kaiju Big Battel』をご存知だろうか?『怪獣大戦闘 Kaiju Big Battel』とは、ボストンを拠点とする団体「スタジオ怪獣」の主催するプロレスショーの名前である。ショーの内容は名前の通り、着ぐるみの怪獣たちがリング上でバトルをくりひろげる、という「日本の特撮怪獣番組」と「プロレスショー」が合体したもの。
「日本の特撮怪獣もの」+「プロレスショー」と書いただけで、そのショーのいかがわしさとヘンさ加減は理解していただけると思う。(ただし管理人ceenaはヘンなものが大好き。この『怪獣大戦闘』も好き。)
そもそも『怪獣大戦争』でも『怪獣武道大会』(をい)でもなく、正式日本名が『怪獣大戦闘』。その上、英語もヘンで普通「バトル」のスペルは「battle」のはずなのに「battel」。スタッフが最初スペルを間違えたらしいのだが、面白いからそのままにしてあるとか。(をい)
元々アメリカではプロレスは大人気。日本のプロレス番組も向こうの人気ケーブルTVのPPVで見ることができ、日本人プロレスラーもファンの間ではそこそこの知名度を誇る。そのプロレス人気を土壌に一部のアメリカ人熱狂的特撮ファンも巻き込んで、アメリカでこの『怪獣大戦闘』はマニアの間でカルト的人気を博しているのだ。近年の日本アニメ・マンガ人気も手伝って「スタジオ怪獣」はアニメ・コンなどにも時々登場。徐々に人気の幅を広げている。
とは言え、あくまでこの人気は一部マニアの間だけのもの。このプロレスショーがヘンなことには変わりはない。
。。。はずだったのだが、このヘンなプロレスショーが何を間違ったのか、アメリカでケーブルとは言えTV放送されることになった。
ICv2の記事"Hasbro Properties on G4 :Plus Kaiju Big Battel"(1月12日)によると、米大手ケーブルTV・G4では以前から「Anime Unleashed」という時間枠を設けて日本アニメに力を入れてきたが、今回玩具メーカーのハズブロと提携して平日(東部時間)午前8時から1時間、「Action Blast」という名前の時間枠で『G.I.ジョー』『トランスフォーマー』などの番組を放送することになり、この『怪獣大戦闘』もその枠に入ることになったのだそうである。
実は、当ブログ管理人ceenaが日本語字幕を付けた『Otaku Unite!』という米アニメ・マンガファンを扱ったドキュメンタリー冒頭に5分ほどこのプロレスの映像が入っている。それと言うのも『Otaku Unite!』の監督エリック・ブレスラー氏は、自分のビデオ・コレクションは誰にも負けないと豪語するくらいの日本の特撮の大ファン。(その上、日本のインディーズ音楽の超マニア。)
このマイナー・カルト・B級的プロレス・ショー、実は日本でも見ることができる。全然知らなかったのだが、なんと去年日本でもこの『怪獣大戦闘』DVDが発売されていたのだ。しかも日本語版公式サイトもできている。
↓売れているのかDVD?!
KAIJU BIG BATTEL~SHOCKING TRUTH [DVD]
- 出版社/メーカー: 学研ホールディングス
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: DVD
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Studio KAIJU はアメリカはボストン発、日米ポップカルチャーのエンドレスな逆輸入ループに触発されながら文化の新しい切り口を披露する、ウィットでキッチュなマルチメディア怪獣パフォーマンスグループです。
97年主催者ランド・ボーデンが始めたライブ“Kaiju Big Battel”は、以来オリジナル・キャラが暴れる、アメリカ・プロレスのダイナミズムと日本の特撮映画の職人魂を併せた類い希なパフォーマンスとして米国各地でファンを増員中。
これらのライブ映像や未発表の短編等を収録したDVDをメインに、オリジナルデザイン商品の製作、日米バンドとのコラボ等その活動の幅を常に広げています。
(公式サイトより。)
↓ceenaが『Otaku Unite!』の監督エリックから受け取ったミニ・パンフレットを翻訳した『怪獣大戦闘』の説明。
地球は今危機に瀕していた。銀河全体に散らばっていた怪獣たちが地球上に集結し、お互いに戦いを挑み始めたのだ。この怪獣大戦争を終結すべく現れたのは、ある秘密組織の任命を受けた謎の裁定者「カイジュー・コミッショナー」。
マッド・サイエンティストのドクター・キューブ、元工場労働者のカンフー・チキンヌードル、昆虫型怪獣ウチューチュー(宇宙虫)等の怪獣たちを相手にコミッショナー、レフェリー・ジンギら勇者達は地球を守ることができるのか?!
↓「オフィシャル・ガイド」本まで出版されていた。ただし英語版。
Kaiju Big Battel: A Practical Guide to Giant City-Crushing Monsters
- 作者: Studio Kaiju
- 出版社/メーカー: Hyperion
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: ペーパーバック
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『怪獣大戦闘』英語オフィシャルHP。彼らの日本未発売の最初のDVDの題名は「Terebi Sento」。『怪獣大戦闘』なんだからシャレで日本語題名は「テレビ銭湯」かと思ってたらそのまま「テレビ戦闘」だったようだ。