米マンガ出版社Del Rey、“立ち読み”専門サイト立ち上げ。


アメリカでマンガを数多く出版しているDel Reyが、新リリースのマンガ専門ウエブサイトの立ち上げを発表した。

これは出版前のマンガを“立ち読み”するための専門サイト。最初の30ページを公開する予定だが、ページは1日1ページずつ加えられていく。Del Rey ではこれによって読者に毎日サイトに訪問してもらい、発売前に新作品の話題が盛り上がることを期待している。
Gacha Gacha 1
現在オープンしているサイトは、玉越博幸『ガチャガチャ』いなだ詩穂/小野不由美『ゴーストハント』安野モヨコ『シュガシュガルーン』の3作品。

Del Rey は2003年の創立以来、既にアメリカで100万部以上のマンガを販売してきた。勿論他の会社も多くのマンガを出版しており、現在マンガは供給過剰気味である。そのためどんなに素晴らしい作品だとしても、新しい作品が市場で読者を獲得するのが難しい状況になっている。

Del Reyによると、今マンガは書店の棚に沢山あって、読者はどれを買っていいかわからない。このサイトを見れば、読者は買う価値のある作品かどうか決めることができる。そして勿論Del Reyは買う価値のある作品を紹介している、とのこと。

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このブログのエントリー「北米オンライン・マンガのページのめくり方」でも英語版サンプルが読めるサイトを紹介しています。

米マンガ出版会社TokyoPop、ヤオイ/少年愛マンガ市場に参入。

ゴージャス・カラット 3―暗闇の美徳 (アイズコミックス)
TokyoPop氷栗優『ゴージャス・カラット』を、同社が新しく立ち上げるヤオイ/少年愛マンガの専門ライン「BLU」の第1作として2006年2月に発売すると発表した。

『ゴージャス・カラット』は19世紀のパリを舞台に悪名高い宝石泥棒とその泥棒を愛する男性の二人を描いた作品。番外編『ゴージャス・カラットGalaxy』が既にDigital Manga Publishing より2006年の発売が発表されていて、ファンは本編の発売を待ち望んでいた。

このブログの9月19日のエントリーで取り上げたNYタイムスの記事「少女マンガ」で触れられていたように、アメリカでも日本同様ヤオイ少年愛ボーイズラブマンガは人気がある。TokyoPop「BLU」以外にも、Cental Park Mediaの「Be Beautiful」Digital Manga PublishingYaoi-Manga.comなどがこのジャンルを専門に扱っている。

9月22日付のICv2の記事によるとヤオイ/少年愛マンガは女性マンガ家による女性ファンのための「少女マンガ」と分類されるが、その分類はかなりぼやけてきているらしい。そして日本よりアメリカの方がその傾向が強いという事だ。*1

TokyoPopでは『ゴージャス・カラット』をその性表現のために「16歳以上」のコードを付けて発売する予定。

*1:個人的にこの“アメリカで分類がぼやけてきた”というところが「どうぼやけたんですか?アメリカではヤオイ/少年愛マンガが男性にも読まれてるってことですか?ヤオイ男性作家が誕生したんですか?それとも少女マンガ全般が男性にも読まれているってことですか?」と怒涛に質問したいくらい気になるのだが記事からは判別できない。残念。