アメリカのアニメファンを扱ったドキュメンタリー映画『Otaku Unite!』DVD発売・監督から日本のアニメファンへのメッセージ。
エリック・ブレスラー監督(右です。後のオヂサンの顔真似をしてるのかな?)→
アメリカのアニメファンを扱ったドキュメンタリー映画『Otaku Unite!』が3月7日にアメリカで発売されます。私が日本語字幕を付けましたが、残念ながら日本版発売には至りませんでした。ただし今回アメリカでの発売は「リージョン・フリー」となることが明らかになりました。
DVD発売の3月7日を目前にして、監督をしたエリック・ブレスラー氏から私のところに直接送られてきたメッセージを公開します。監督もメッセージに書いていますが、監督に応援メッセージ、質問他がありましたら監督に直接メールするか(info@otakuunite.com.)、私宛(animecomics4u@ybb.ne.jp)にメールをお願いします。私がメールをいただいた場合は英訳を作成し、いただいたオリジナルの日本文に併記して監督に送ります。
こんにちは、日本のみなさん!
僕はエリック・ブレスラーです。アメリカでのアニメファンの歴史を扱ったドキュメンタリー映画『Otaku Unite!』の監督をしました。僕自身はオタクではありませんが、日本のロック・ミュージックの大ファンで、そのことがきっかけとなりアニメファンの世界と出会うことになりました。
皆さんは知っているかもしれませんが、アメリカでは60年代初頭に『鉄腕アトム』『マッハGo Go Go』『がんばれ!マリンキッド』などのアニメ番組が放送されました。70年代後半に入ると、日本からの輸入アニメのファンたちが集まり、組織作りを始めました。自分たちのアニメという趣味について他のファンと語り合うため、そして日本アニメにもっと触れる機会を増やすためです。
このようなアニメクラブはアメリカ中で設立され、80年代には『ロボテック』『宇宙戦艦ヤマト』などの人気番組のおかげで、その規模をどんどん大きくしていきました。この時期に開かれたSFコンベンションは、日本アニメをその上映プログラムに組み入れるようになりましたが、アニメファンには物足りないものでした。
そしてついに1991年、アニメだけをテーマにしたコンベンションがカリフォルニアで開かれました。「アニメ・コン 91」です。今日まで続くアニメコン「プロジェクトAコン」(テキサス)や「アニメ・エキスポ」(カリフォルニア)はこの「アニメ・コン 91」のすぐ後に始まったものです。現在では日本アニメを専門とするコンベンションの数は毎年60以上にのぼります。
現在ではテレビでも“アニメ”という言葉をアメリカ産カトゥーンと区別する言葉として気軽に使っています。ビデオ店でも大きなアニメ・コーナーがあり、アニメ自体が一つのジャンルとして確立していることを表しています。このようにアニメはアメリカでその存在感を高めていますが、今もアニメにはカルト的なファンが多くいます。そんなアニメファンたちは、『スター・トレック』ファンが自分たちを“トレッキー”と呼ぶように、自分たちを“オタク”と呼んでいます。日本ではより多くのニュアンスを含む言葉である“オタク”を単にアニメのファンという意味で使っているのです。
僕たちスタッフは『ポケモン』ブームの直後である2000年に『Otaku Unite!』の撮影に入りました。僕自身はあの当時、アメリカでの日本アニメ人気は頂点を迎えたと確信していましたが、それは誤りでした。人気は更に広がっていったのです。
『Otaku Unite!』は60年代に日本アニメがアメリカに登場した頃から現在のブームまでを取り上げています。内容は、アメリカでは常にコンベンションのハイライトであるコスプレ、コンベンション主催者、業界のプロ、熱狂的ファンへのインタビュー、初のアニメ・コン結婚式、第1回アメリカ“ヤオイ”コンなど様々な映像で構成されています。音楽は「the 5.6.7.8.s」「Petty Booka」「Mummy the Peepshow」など日本のアーティストによるものです。僕はこの映画のために5年を費やし、その結果にとても満足しています。
『Otaku Unite!』は2006年3月7日に、アメリカで最も大きなアニメ販売会社の一つ、ニューヨークのセントラル・パーク・メディアから発売されます。現在のところDVDはリージョン・フリーになる予定です。何か新しい情報が入ったらまたこのサイトでお知らせします。このサイトの管理者に日本語字幕を付けてもらいましたが、日本での映像使用料が高くDVDを日本で発売することができませんでした。日本での上映、DVD発売に興味を持っている方がいらっしゃいましたら、是非僕たちに連絡を取っていただきたいと思います。このサイトにメール(animecomics4u@ybb.ne.jp)を送ってくださっても構いませんし、僕(info@otakuunite.com.)に直接連絡をとっていただいても構いません。
ここまで読んでくださって有難うございました。日本の皆さんが僕たちの『Otaku Unite!』を見る機会を得て、日本のアニメがアメリカのポピュラー・カルチャーに与えた多大な影響について知ることができるよう願っています。
Eric Bresler (エリック・ブレスラー)
ceenaのサイト「英語で読むアニメ・マンガ」内の『Otaku Unite!』解説ページ。
実は『Otaku Unite!』の日本国内上映に関してたった1社だけ、映像使用料を払わなくていいと言ってくださった超太っ腹なアニメ製作会社がありました。映像使用料を払うのは当然のことであり、他のアニメ製作会社のように使用料を求める対応が普通なのであって、とにかくこの会社が超太っ腹!
偶然にもceenaが仕事をいただいている会社ですが、これを読んでくださったら、おわかりになると思うのでこの場を借りてお礼申し上げたいと思います。
「●社のKさま、その節は本当に有難うございました。残念ながら日本での上映、DVD発売は果たせてはいませんが、本国でのDVD発売にはこぎつけました。」