北米少女マンガ雑誌『Shojo Beat』が、2周年記念特別号に手塚治虫『リボンの騎士』掲載。

本の業界紙PublishersWeekly4月17日の記事「Shojo Beat Marks Second Year」で、アメリカの少女マンガ雑誌『Shojo Beat』が取り上げられていた。

『Shojo Beat』は北米版『ジャンプ』『Shonen Jump』を発売するVIZが出す少女マンガ雑誌。『Jump』に比べると『Beat』は部数などの情報があまり出てきていない印象だったので今回の記事はちょっと嬉しい。

下には記事の主なポイントだけあげた。カッコの中は管理人によるもの。

『Shojo Beat』はこの7月で2周年をむかえ、その2周年記念特別号に手塚治虫リボンの騎士』が掲載されることになった。『リボンの騎士』の英語版が出るのは今回が初めて。(ただしどの『リボンの騎士』なのかはわからない。)

誌面リニューアルに合わせて読者に少女マンガのルーツを読んでもらうという企画ということで、記事によると25ページ掲載でこの後連載が続くわけではなく単行本が出る予定もない。この夏にサンフランシスコのアジアン・アート・ミュージアムで開かれる手塚展に合わせての掲載かもしれない。(VIZの本社はサンフランシスコ。)

『Shojo Beat』編集長によると『Shojo Beat』は"アメリカでの少女マンガ大使”を自認しているが、昨年11月に現編集長に代わってから日本のポップカルチャーを扱った記事により多くの誌面を割くようになった。

『Shojo Beat』は日本のマンガ雑誌を模したもので、いくつかのマンガを掲載しまとまったら単行本にして出すというシステムをとっている。しかし日本のマンガ雑誌のそれぞれが特定のジャンルに焦点をあてマンガ以外の記事が少ないのに比べて、『Shojo Beat』は記事も多く載せ、複数の出版社からの様々なマンガを連載している。現在は6つの連載マンガに混じって日本の食べ物、音楽、ファッション、マンガ家へのインタビュー、マンガの描き方の記事が掲載されている。

『Shojo Beat』の発行部数は現在3万5千部。(ちなみに『Shonen Jump』は30万部。実売は20万部から25万部。)VIZ編集部によると単巻で『Shojo Beat』ほど売れている少女マンガはほとんどない、とのこと。主な読者は16〜25才。(性別については言及なし。やっぱり女性か?)

新規読者が入ってきやすいように年間数回新しいシリーズを最初からスタートさせている。創刊時から連載の続く『NANA』のような作品もあるが、作品によっては数ヶ月で連載が終わることもある。しかし途中で連載が終わったからといって作品が単行本化されないというわけではない。連載していた時より早いペースで単行本が出版されることもある。

雑誌で先にマンガが読めると単行本が売れないのではという声もあるが『Shojo Beat』編集部にはその心配はない。『Shonen Jump』で連載中の『ナルト』単行本が大成功をおさめているという前例があるからだ。

編集部から正確な部数は出ていないが、現在売れている『Shojo Beat』連載、もしくは掲載した作品は『満月をさがして』(種村有菜)、『ヴァンパイア騎士』(樋野まつり)、『絶対彼氏』(渡瀬悠)。渡瀬悠氏の『ふしぎ遊戯 玄武開伝』も作者のファンのおかげで売れている。しかし『赤ちゃんと僕』(羅川真里茂)はそこそこの売上で、上田倫子氏の『月のしっぽ』はもっと売れてもいい作品ということだ。

↓英語版『ヴァンパイア騎士』第1巻。

Vampire Knight, Vol. 1

Vampire Knight, Vol. 1