アメリカの「手塚治虫文化賞」(?)である「アイズナー賞」に日本マンガ&非日本産マンガが数多くノミネート。
日本でも「手塚治虫文化賞」のノミネーション作品が発表されましたが、それに先んじて海の向こうの「手塚治虫文化賞」とも言うべき「アイズナー賞」が発表されています。
発表されて少し経つので話題としては新しくないんですが、今年は日本のマンガもたくさんノミネートされて面白いのでとりあげてみることにしました。
「アイズナー賞」はコミックス界で巨匠の名を欲しいままにした故ウィル・アイズナー氏の名前にちなんだ賞で、1987年に同じくコミックスの賞である「カービー賞」を引き継ぐ形で設立されました。つまり今年で20年目。今年は北米でのマンガ人気の高まりを受けてマンガやマンガスタイルの非日本産コミックスも数多くノミネートされた上に、「国際部門」の中に特別に「日本部門」も設けられ、日本のマンガファンにも見慣れた作品名の多いリストとなっています。
それぞれのカテゴリーで5作品ずつノミネートされていますが、今回は日本産マンガ作品もしくは非日本産で“マンガ”と認識されることが多い作品を挙げてみます。
<ベストUSエディション・国際部門−日本>
選ぶ基準がはっきりしないけれど、マンガそのものに加えて「訳」「用語説明」「装丁」などが対象となっているらしいです。
↓英語版『放課後保健室』After School Nightmare 1 (After School Nightmare (Graphic Novel) (Adult))
- 作者: Setona Mizushiro
- 出版社/メーカー: Go Comi
- 発売日: 2006/10/11
- メディア: ペーパーバック
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<ベスト・コンティニューイング・シリーズ>
- MONSTER(浦沢直樹)
↓英語版『Monster』。日本では連載は終わってますが、アメリカでは出版中ということで“コンティニューイング(継続中)”カテゴリーでノミネート。
Naoki Urasawa's Monster, Vol. 1: Herr Dr Tenma
- 作者: Naoki Urasawa
- 出版社/メーカー: VIZ Media LLC
- 発売日: 2006/02/21
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<ベスト・ニュー・シリーズ>
- East Coast Rising(Becky Cloonan)
個人的にはノミネートがとても嬉しい非日本産マンガ。作者クルーナンさんはオルタナティブ系のコミックスで既に活躍なさっていた方。2巻が待ち遠しいです。ただしクルーナンさんは「アシスタントなしで年に1巻出すのはツライ」とご自分のブログで書いていたので、あんまり大きな期待はしちゃいけないのかも。お話は海賊もの。
- 作者: Becky Cloonan
- 出版社/メーカー: TokyoPop
- 発売日: 2006/04/11
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<ベスト・アンソロジー>
- Japan as Viewed by 17 Creators(編者・Frédéric Boilet)
↓こちらがノミネートされた英語版。
↓日本版もあります。日本の作家さんたちもすごくいい(特に安野ファンにはたまらん!)ですけど、夏目房之介さんが昨年末の『ダヴィンチ』で取り上げていた『新しき神々』(ニコラ・ド・クレシー)も面白い!Japan: As Viewed by 17 Creators
- 作者: Moyoko Anno,Aurelia Aurita,Etienne Davodeau,Nicolas De Crecy,Emmanuel Guibert
- 出版社/メーカー: Independent Pub Group
- 発売日: 2006/12/30
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- 作者: 安野モヨコ
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 単行本
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<ベスト・ノンフィクション>
↓英語版『プロジェクトX』マンガ。アメリカにいる知人のアメリカ人がケーブルでNHKのオリジナル『プロジェクトX』を見て一言。「Very, very Japanese.」
- 作者: Tadashi Katoh,Akira Imai
- 出版社/メーカー: Digital Manga Pub
- 発売日: 2006/07/05
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このカテゴリーには昨年ベスト・グラフィックノベル賞のベスト10リストに必ずと言っていいほど名前があがった『Fun Home』もノミネート。ただしこの作品は「ベスト・ニュー・グラフィックノベル」部門でもノミネートされているので、そっちで取った場合は『プロジェクトX』に可能性も。でも『Fun Home』も面白いので、どこかの出版社さん、翻訳プリーズ。
- 作者: Alison Bechdel
- 出版社/メーカー: Mariner Books
- 発売日: 2007/06/05
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<ベスト・アーカイヴ・コレクション/プロジェクト>
↓英語版『東京うばすて山』。『きりひと讃歌』と共に一時期英語圏マンガファンのブログ界隈でこの作品がかなり話題になっていました。
- 作者: Yoshihiro Tatsumi
- 出版社/メーカー: Drawn & Quarterly Pubns
- 発売日: 2006/09/05
- メディア: ハードカバー
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<特別賞>
(非日本産マンガのマンガ家さん2人がノミネートに入りました。)
- ロス・キャンベル(作品『Abandoned 』『Wet Moon』)
- スヴェトラーナ・クマコヴァ(作品『Dramacon』)
↓ロス・キャンベルさんの『Abandoned』。ちょっと昏めのゾンビマンガ。
The Abandoned Volume 1 (Abandoned (Tokyo Pop))
- 作者: Ross Campbell
- 出版社/メーカー: TokyoPop
- 発売日: 2006/03/07
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↓クマコヴァさんの『Dramacon』。このノミネートも個人的にメチャクチャ嬉しい!『Dramacon』はキュートな恋愛マンガです。とにかくギャグのノリが良くてカワイイ。クマコヴァさんのマンガは(『Dramacon』じゃないですが)今度新しく私が立ち上げる予定のサイトに日本語版がちょっと載ります。よろしく!
- 作者: Svetlana Chmakova
- 出版社/メーカー: TokyoPop
- 発売日: 2005/10/30
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黄金週間とは何?どこの国の話?っと聞きたくなるような日々を過ごす管理人のceenaです。フリーで働く身としては去年の暮れあたりからの忙しさは有り難いことこの上ないにもかかわらず、冬にはシーズン券をいつも通り買ったのにスキー場には一回も(!)行けず、知らないうちに桜も散って、更には黄金なはずの日本で毎日PCに向かって仕事。。。人間としてダメな方向に一直線。