LAタイムスがアメリカで7月開催「アニメ・エキスポ」のガイド本を発行。

6月22日の「ロスアンジェルス(LA)タイムス」の記事「アメリカ国内最大のアニメ見本市のガイド本発行("Los Angeles Times to Publish Guide to Nation's Largest Anime Trade Show")」より。

アメリカ都市部で2番目に多い発行部数を誇る大手新聞「LAタイムス」が7月にロスアンジェルスから南東45キロのアナハイムで開催されるアニメ・コンベンション「アニメ・エキスポ」のガイド本を発行したようだ。同紙定期購読者や小売店での購買者に無料で配られるらしい。

それにしても、アニメファンが多いと言われる西海岸とは言え、こんな大手新聞がアニメ・コンのガイド本を発行するとは、やっぱり時代は変わってきたのかなぁ。

LAタイムスは6月25日に、国際的に人気のある日本のアート・フォーム、マンガとアニメに焦点をあてた広告付きガイドブックをリリースした。このガイドブックは7月1日から4日までアナハイム・コンベンション・センターで開かれる「Anime Expo 2006」を扱ったもの。

LAタイムスとテレビゲーム・アニメを専門とする雑誌PLAY magazineが共同で編集したもので、LAタイムスは120万の日曜版購読者と小売店に配り、合計で5つの郡にまたがる330万人に届ける予定。

「マンガとアニメはアメリカの出版業界で最も成長が著しい分野です。」そう語るのはLAタイムス広告部シニア・マネージャーのコーリン・トンプソン氏。「高まる読者の要求に応えて、本屋は徐々にマンガにあてる売り場スペースを増やしています。我が社にとって、このガイドブックはマンガ人気をうみだしている新しい若者や大人の読者とつながる良い機会なのです」

この人気を受けてLAタイムスではそのコミックス・セクションに今年の1月からアメリカ産のマンガである『Peach Fuzz』*1を、そして7月からは新たに『Van Von Hunter』*2を掲載する。

「メインストリームのメディアがアメリカのアニメ人気に関する報道をし始めてからかなり経ちますが、自分たちがLAタイムスと「Anime Expo」のガイドを作ることになるなんて思いもよらないことでした」PLAY magazineのチーフ・エディターのデイヴ・ハルヴァーソン氏は言う。「今年のExpoは、アニメとはこういうものだとの思い込みと、全ての年齢を対象とした素晴らしい娯楽である実際のアニメとのギャップを埋めるような内容になると思います」

ハルバーソン氏によると、アニメを放送する様々なチャンネル*3を通して、アニメはアメリカ市場に影響を与えているということだ。


このガイド本の内容は、

  • Anime Expo初心者へ。

マンガとアニメ進化の過程をたどる。個人の趣味としての様々な要素を持つアニメ・マンガから、アメリカの出版社や放送局によって大衆化された、急成長しているアート・フォームとしてのアニメ・マンガへの変遷。

  • マンガって何?

基本的なマンガの説明。マンガの扱うテーマの多様性、世界にアピールするその魅力、アメリカ産のコミックスとの比較について。

  • アニメって何?

一般に信じられている俗説の嘘を暴き、このアート・フォームがどのように映画やテレビの照明やカメラの進んだ技術を取り入れてきたかを検証。

  • 会社総まとめ。

アメリカ国内に限らず、現在最もホットなアニメ会社、マンガ出版社の特集。そしてこのExpoで発表する内部情報をいち早くキャッチ。

  • アーティスト情報。

CLAMP特集。4人の女性からなるマンガ家チーム。1989年以来世界中に20を超える人気マンガを送りだしてきた、国際的なアニメ・マンガ界に君臨するクイーン。

このガイド本、ちょっと読んでみたいものです。

*1:Peach Fuzz』

Peach Fuzz Volume 1 (Peach Fuzz (Graphic Novels))

Peach Fuzz Volume 1 (Peach Fuzz (Graphic Novels))

*2:『Van Von Hunter』

Van Von Hunter Volume 1

Van Von Hunter Volume 1

*3:ハルバーソン氏が「アニメを放送する様々なチャンネル」として挙げているのは、Showtime、HBO Family、4Kids TV on Fox、Cartoon Network、Family Channel、Sci-Fi Channel、Starz Action、Nickelodeon