アメリカで日本のポップ・カルチャー専門雑誌創刊。その名も「オタクUSA」。


北米業界向けニュースサイトICv2の2月28日の記事「『Otaku USA』雑誌6月に創刊 ('Otaku USA Magazine' Launching in June: Patrick Macias Named EIC")」より。

SF専門ケーブルチャンネル「SciFiチャンネル」のオフィシャル・マガジンを出版し、ニッチ市場を対象にした雑誌を専門に出版するSoverign Mecia Inc.が、6月に新雑誌『Otaku USA』を発売する。NHKワールドTVの特派員も勤め、オタクのための東京ガイド本『Cruising the Anime City: an Otaku Guide to Neo-Tokyo』や日本の映画を紹介した『Tokyoscope: The Japanese Cult Film Companion』の著者パトリック・マシアス氏がこの新雑誌の編集長を務める。

マシアス氏の説明によると『Otaku USA』には毎号折込ポスターとアニメとゲームのデモ画面の入ったDVDが付き、綴じ込みでマンガも入る。そしてこの『Otaku USA』を米市場で最も包括的で最高の日本のポップカルチャー専門誌にするのがマシアス氏の目標だ。

価格は米ドルで9.99ドル(現在のレートで1200円弱)。フルカラーで少なくとも150ページにはなる予定。隔月刊で、マンガ、アニメ、PCゲーム、Jポップをアメリカ人のスタッフがアメリカ人の視点から取り上げる。

Hachetteグループの1部門であるCurtis Circulationが流通を担当し、その関係でSovereign MediaはBorders、Barnes&Noble、Waldern Booksなどの大手書店にディスプレイ用の棚を購入した。SoverignのCEOであるマーク・ヒンツ氏は「創刊号の売上目標は12万5千部」と語った。

この雑誌の編集長となるパトリック・マシアス氏は『オタク・イン・USA:愛と誤解のAnime輸入史』の著者。アメリカ版『ジャンプ』のVIZが昔出していたマンガ雑誌Pulp』にも関わっていたし、最近ではNHKの『英語でしゃべらナイト』でマンガが話題になった時も登場。
↓新雑誌『オタクUSA』の編集長パトリック・マシアス氏の著書。

オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史

オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史

↓洋書だがマシアス氏の著作2冊。アメリカン・オタクのための東京ガイドと、日本映画ガイド。
Cruising The Anime City: An Otaku Guide To Neo Tokyo

Cruising The Anime City: An Otaku Guide To Neo Tokyo

Tokyoscope: The Japanese Cult Film Companion

Tokyoscope: The Japanese Cult Film Companion


現在アメリカでアニメ関連の雑誌は『ニュータイプ』のアメリカ版『Newtype USA』『Anime Insider』、そしてカナダを本拠地とする『Protculture Addict』がある。マンガの描き方本は北米でもたくさん出ているが、雑誌で言えば季刊誌『SS』があり、今年の6月からは16歳以上を対象とした『Megami Magazine』もDegital Manga Publihsingから発売される。少し毛色は違うけれどアジアのポップカルチャーを扱う『Giant Robot』もカルト的に有名。

上に挙げたアニメ雑誌で言えば『ニュータイプUSA』が一番売れているという話を聞いたことがあるが正確な数字はわからない。『オタクUSA』の創刊号の目標が12万5千部というのはかなり大きい数字だと思うのだが、どうだろう?

追記:
コメント欄である記事を教えていただきました。その記事によると2004年時点で一番売れていた雑誌は『Anime Insider』。その当時の部数は推定で15万部ほどということです。